第7話 続き
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コンコンッ
「入ってくれ」
ガチャ
「失礼します、」
「!?!?!ボフッ ///////////」
僕は執務室に入るとアル様と目が合い、アル様は一瞬のうちに顔が真っ赤になった。僕はアル様の所に向かい机にコーヒーとケーキを置き、食べ終わったお皿とカップを取る。
「、、、、(この反応は、シャルヤさん達の言う通りなのか?)」
「、ユフィーネかシャルヤが来ると思っていたが」
「お2人とも他のお仕事で忙しいらしく、僕が任させました」
「そ、そうか、 (あぁ、何でこんな時にユリーリャと2人きりになるんだ!絶対シャルヤ達の策略だ!)」
「、、、、(もう、用事は終わったら良いよね?」
「では、僕は元の
僕はそう言って一礼して部屋を出ようとしたが、アル様に引き止められてしまい、僕は了承してしまった。僕の意思の弱さはそろそろヤバいかもな。
了承するとアル様の顔は少し嬉しそうに見えた。
「!!(ヤッタ!一緒に居れる口実作れた!)」
「出来る限りはしますけど」
「手伝ってくれるだけで良い」
「分かりました」
僕はそう言って、もう1つの机に行き椅子に座って作業を行う。
「、、、、((いつの書類か分けている))」
「、、、、(はわっ、真剣な顔で作業してるユリーリャ、何かカッコいい!)」
「、、、、((必要な書類と必要じゃない書類を分けている))」
「、、、、ズズッ(はぁ、やっぱりユリーリャが居ると落ち着くけど無駄に心拍が急上昇してしまう!)」
「、、、、((誰がサインをしたかの確認と、誰が出した書類かの確認))」
「、、、、 パクッ (ユリーリャの髪って本当にサラサラしてるなぁ、あんな綺麗な髪を保つなんて凄いし、それにユリーリャが笑うと髪も笑ってる様に見える)」
「、、、、((大切な書類を年代別に分けている))」
「、、、、パクッ (間違えない様に少し眉間に皺寄せてるのも可愛い!、、、、ぁ〜ユリーリャに似合う髪留めかシュシュ買ってあげたいなぁ〜、、、、ぁ!)」
「、、、、(作業開始から約30分、何か、さっきからアル様の視線が気になるんだけど!?ぇ?何、僕なんかした!?それとも、僕が好きだから?)」
アル様は無意識に僕を見ているのだろうが、時々僕をじっと獲物を見るかの様な目で僕を見るとはちょと辞めて欲しい。ちょとびっくりするから。気付いているのを気付かれない様に、僕は黙々と作業をする。
一通りの作業が終わり、ふと時計を見るとすでに短い針が7の所に差し掛かっていた。僕は立ち上がってアル様に声をかける。
「アル様、作業を終えて夕食に行きましょう」
「ムッ? あぁ、もうこんな時間か、分かった。行こう」
「はい、では僕は先に、 「待ってくれ」 へ?」
持って来たケーキとコーヒーをお盆に置いて先に部屋から出ようとしたら、アル様に呼び止められた。何か、デジャブ感がすごいが、僕は振り返ってアル様を見つめる。
「どうしましたか?」
「明日、一緒に買い物をしないか!?」
「、、、、、、、、はい?」
驚きの言葉を言われてしまった。その圧力で僕は一言 「はい、分かりました」としか言えなかった。
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次の日、僕は着飾った格好してアル様の自室に、ある2人と一緒に立っている。
コンコンッ
「入ってくれ」
ガチャ
「、、、、!」
「アル様、どうよ。私達の洋服のセンスは」
「いきなり、昨日シャルヤさんに王宮内にある可愛い洋服持って来な、って言われてびっくりしましたよ」
「ハハッ この主人が、いきなりユリーリャとデートするなんて言うから、私頑張りましたよ」
「、、、、まさか、ワンピースを着させられるとは思いませんでした」
「カーディガンがあるんだから良いと思うよ」
そう僕の格好は長めのワンピースに撫子色に似たカーディガンを着て、靴は深い茶色。髪もハーフアップにさせられている。
部屋に入ってからアル様は僕の姿を見ない様に目を逸らしている。
「、、、、、、、、」
「アル様〜?ユリーリャの姿見て、何か思う事ないないんですか?」
「そうですよ。アル様と一緒に出かけるんだからそれなりに良い格好させなきゃいけないじゃないですか」
シャルヤさんとハルーラさんはアル様の顔を見て強い圧力を受けて諦めたのか僕の方を見て、小さく声を一言微かに喋る。
「、、、、《に》、」
「「「に???」」」
「に、似合ってるよ、////////// (うぅ、超恥ずかしいんだけど!てか、ユリーリャ、超似合ってるよ。そんな可愛い顔で俺を見つめるな!、、、、何て、言える訳もないし)」
「!、笑 //// 」
そう顔を真っ赤にして照れて言うアル様に僕は可愛いって思えた。僕も少し照れてしまたまた。お2人は少し笑ったあと、シャルヤさんはアル様に話しかける。
「じゃ、今からアル様に色変え魔法かけるんで」
「色変え魔法??」
「ぁ、ユリーリャは知らない?」
「色変え魔法は、色を変えたり雰囲気の色を変えたり出来る魔法だよ」
「一応、私とハルーラは色変え魔法が使える様にしてあるからね」
「へぇ〜」
「で?何色にします?」
「髪は白と金、目は水色、雰囲気は穏やかな色だったら良い、」
「分かりました、では!」
シャルヤさんはそう言って魔法をかけた。アル様の周りが輝いて一瞬のうちに、黒髪と銀髪が白髪に金髪に、赤眼が碧眼、威圧感が強い色の雰囲気から穏やかな色の雰囲気に変わっていった。そして、狼の耳と尻尾が何故か消えている。そしてエルフ耳がピンッって生えた。
「!耳と尻尾がなくなった!」
「あぁ、これは、無くしただけだ。この姿で狼の耳と尻尾があると少し違和感あるだろ?エルフの遺伝子は持っているからな、一応はエルフ耳は生えるよ」
「うわ〜、ひっさしぶりに、アル様のエルフ耳見たわ〜」
「!エルフ耳のアル様もカッコいいですね!フワッ 」
「、、、、ブワッ ////////// あ、ありがとう (驚いた表情も超可愛いし、また、ユリーリャから甘い匂いがする。本当、この匂い慣れないなぁ〜)」
「シャルヤさん、あの2人無自覚でイチャついてるんですかね」
「そうだな、イチャイチャを私らに見せつけてるんだよ」
「「シャルヤ/さん!」」
僕とアル様で揃って言うと、微笑みからいつものしっかりとした顔になって、両手を腰に置いてから、僕らの肩に手を置いたら、扉を方を任せる様に動かした。
「さっ、今日はユリーリャの従者1週間記念って事で1日休みなんで、ゆっくりとお出かけして来てくださいね」
「そうそう、アル様が居ない日は僕らめっちゃゆっくり出来るんで」
「あの、本当にありがとうございます。じゃ、その行ってきます」
「行ってくる。その、ありがとうな」
僕らはそう言って部屋から出た。最後にアル様の感謝が2人にブッ刺さったらしい
「!// ちょ、不意のありがとうはマジ辞めて下さいよ!照れますから!」
「本当!// てか、これ、ララネ達に自慢出来るんですけど!」
扉が閉まってもその先の2人の興奮した声を聞きながら、僕とアル様はボタン宮から出て、王宮を出て王都1の繁華街に向かう。
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暫く歩くと、色んなお店があって僕は楽しく見ていた。
「色々ありますね。本屋さんやお花屋さん、喫茶店や服屋さん、アクセサリー屋さん色々、!」
「俺も久しぶりに繁華街に来たよ。今は10時だからお昼の前に何処か行くか?」
僕はそう言われて少し考えて、小さい頃から行ってみたいお店を思い出して僕はアル様に話す。
「はい、ぁ!なら、その、1つ行ってみたいお店があるんですが」
「あぁ、ユリーリャの好きな所行くよ (寧ろ、ユリーリャと行けるなら何処でも行ける!こーゆう時の王子だし!)」
そうアル様に言われて僕は、、、、
魔力家電量販店へと来た。僕の目的は、、!
「今度買いに来る時の下見をしたくて」
「何か、買うのか?」
「はい、ボウルと菜箸、コップとか、あぁ、あとは伸ばし棒、スイーツ作る時に必要なんですよ」
「そうなのか」
「他には〜、、、、!!」
調理器具の販売ゾーンに来るとふと、ある物が目に映って僕は一瞬で、声を上げた。
「はわぁ〜、新作のフライパン超良い!ぁ!この鍋、入らずの炎魔法の魔力を注げば使えるやつ!超良いやつじゃん!」
「ぁ、このトースター、デザイン可愛いし、4枚焼けるやつ!?超欲しいんだけど!」
「、、、、《ユリーリャ、あの》」
「うわっ!この冷蔵庫、ごく少数の魔鉱石だけで動くやつ!?等々発明したのかぁ〜やるな〜、でも、僕ならもっと効率良く出来ると思うな〜、、、、ぁ」
「ユリーリャって、料理好きが故の魔力家電(調理器具)オタクなのか?」
「、、、、ダラダラダラダラッ ((一瞬で滝の様な汗が出る))」
気付けば、僕はアル様をそっちのけでオタクには負けるが、早口で喋っていたらしい。僕はすぐにアル様に謝った。
「アル様!すいま、《せ》 ムグッ ムブッ」
「シーッ 、今の俺の事、様付けて呼ばない。目立つのは厳禁だから」
そう右手で僕の口を押さえて言うアル様の迫力に僕はコクコクッ と頷いた。頷けば、すぐに右手をパッと離してくれた。
「様はダメなら、、、、ぁ!なら、アル君はどうですか?」
「、、、、アル君!?/// (ユリーリャにアル君呼びされてしまった!どうしよう、てか、慣れない!だって、母さんか姉さん以外俺の事アル君なんて言う人居ないし!)」
この前のミド様とジア様とアル様の会話を思い出して、そう言ってみると、一瞬何を言ったのか分からない顔をしたあと、顔を真っ赤にして恥ずかしがっていく。
「嫌ですか?」
「嫌ではないが、ちょと驚いただけだ。別に良いと思う」
「そうですか!良かったです」
僕はそう言ってまた、調理器具を見る。
「《アル君呼びを実行するとは勇気あるなぁ〜ユリーリャは》」
「《あの、仕事サボってこんな事してて良いんですか?》」
「《あたしは楽しいから良いけど!》」
「《姉さん、声を落として、気付かれます》」
「《良いの、良いの、ガゼルさん達には許可貰ってるから》」
数十分見た後、お店を出てから次に本屋さんに向かった。
「、、、、このレシピ本、初めて見た。ぉ、このレシピ、良さそうだな。ぁ、このレシピも良い」
「、、、、フッ (やっぱり本当に料理が好きなんだな笑、料理に関連する物は何でも好きって言うのは本当に良い事だ)」
「ん〜、このレシピ、って似たのあるよな〜気になる〜、、、」
僕は買いたいなって思い値段を見ると、とてつもなく高かった。流石、古本だ。僕が悩んでいると、そんな僕を見ていたアル様、いやアル君が声をかけてきた。
「俺が買おうか?」
「、、、、へ?、、良いんですか?」
「シャルヤ達に習って、1週間記念だよ。結構金はあるから」
「、、、、!ありがとうございます!」
僕がそう言って、アル君に感謝した。
「別に感謝される事じゃないよ (頑張ったユリーリャへのご褒美は当たり前だろ!?)」
「でも、!」
「良いから良いから」
「《アル様イケメン!流石!》」
「《ナチュラルにあぁ言えるのって良いですよね》」
「《アル様、本当あーゆうところは自然と出来るのになぁ〜笑》」
「《あたしも出来るかな?ミーシャ》」
「《姉さんは、、、、いつか出来ると思うよ》」
「《いや、それ出来ない時の言い方》」
アル君はレシピ本を買ってくれて、僕は嬉しく思っていると、12時近くになっていて、僕らは近くの食堂に行く。因みに、アル君はこーゆう人が多い食事処にあまり来た事がないらしいので、僕の後ろに少し緊張しながらくっ付いてくる。
カランッカランッ ガヤガヤ ザワザワ
「いらっしゃい!何名!?」
「2名です」
「じゃ、そこの空いてる席座って!」
「はい」
僕らは店員さんに言われるがまま席に座ると一瞬でお冷と、メニュー本が目の前に置かれた。
「メニューが決まったら、大きな声でお呼びください」
「ありがとうございます」
「アル君、何にします?」
僕が聞くと、アル君は少し考えてから、堂々とこう言った。
「、、、、出来るだけ肉料理が良い」
「はぁ〜、しょうがないなぁ。えぇと、ぁ、ならローストビーフ丼にします?お肉とご飯特盛に出来るみたいですし」
「ん、それにする。なら、僕は、、、、ミートスパゲッティ、肉団子付きにします」
「あと、飲み物は、、、、ジャスミン茶で良いですか?」
「あぁ、それで頼む (ミートスパゲッティ!可愛い!やっぱり頼む食べ物は年相応なんだね!俺、わがまま言ってごめん!)」
「じゃ、呼びますね」
僕はそう言って、定員さんを呼ぼうと大きな声を出して呼び出した。
「スゥ すいませーん!!!」
「はーい!今行きます!!」
大きな声で返事が来てから少し経って、先ほどの定員さんが、来た。
「はい、ご注文お伺いします」
「えっと、ローストビーフ丼を1つ、特盛で、それとミートスパゲッティの肉団子付きを1つ、それとジャスミン茶を2つ下さい」
「分かりました。では、繰り返します。ローストビーフ丼を1つで特盛、ミートスパゲッティの肉団子付きを1つ、ジャスミン茶を2つでよろしかったでしょうか?」
「はい、それであってます」
「では、完成までに少しお時間を貰います」
定員さんはそう言って厨房の方に、向かった。すぐにジャスミン茶を持ってきて、僕とアル君はそれを飲みながら喋ったらする。
「何か、こーゆう所って結構来るの楽しいですよね笑」
「あぁ分かる。俺も昔、父さん達に連れて来て貰った時は楽しかったし、嬉しかったな笑」
「分かる!家族と来るととっても楽しいですよね!笑」
何て話していたら暫くしてローストビーフ丼とミートスパゲッティを持った定員さんが僕らの机に置いて、僕らは定員さんにお礼を言ってから食べた。アル様、箸が上手く使えなくて黙々とスプーンで食べてる姿は可愛いなって思えたし、美味しそうな顔を守りたいな、何て子供ながらに思ってしまうのが此処最近の悩み。アル様は大人なのに何で?てか、アル様にしか芽生えない感情がある。これは何だ?
食べて後、少し喋ったりして時間を潰してからお金を払ってお店を出て、ブラブラと歩くと、ある物が目に入った。
「ぁ、」
僕は小さい声でそう言って少し立ち止まってしまった。
「ん?ユリーリャ、どうした?」
「ぁ、いやその、あのリボン可愛いなって、」
不思議そうな顔をして僕に聞いてくるアル君に素直に見ていた物を指でさして言う僕。その先にあった物は、ガーベラの刺繍が入った淡いベージュ色の少し長い結ぶタイプのリボンだった。付けてみたいな、何て考えたりして。
「、綺麗だな。買うのか?(絶対に、ユリーリャに似合うに決まっている!寧ろ、似合わない方が可笑しい!)」
「、、いえ、僕には似合いませんし、それに僕なんかが着けたら勿体無いですから」
「、、、、ッ (何で、そんな事言うの!て言うか、ユリーリャに似合わない物なんてないからね?!ユリーリャが買わないのなら、、、、)」
「そっか、分かったよ」
アル君にそう言ってまた僕らは歩き始めた。僕はあんな可愛い物は似合わないな、何て思いながら歩く。
「《アル様、そこは買うのが普通じゃん!あたしでも分かる!》」
「《姉さん、人が全員姉さんと同じ意見な訳ではないからね》」
「《まぁ、マーシャの言い分も俺は分かるけど、、、、》」
暫くして、次はアル君が立ち止まった。アル君の視線の先には綺麗なブレスレットが、、、、ブレスレットは宝石が付いておりそれが輝いてて綺麗だった。
「アル君、、、、もしかしてあのブレスレットが気になるんですか?」
「!いや、違、ちょと見ていただけだよ!(ブレスレットって付けた事ないけど憧れではあるから気になってたんだよな。それに、あのブレスレットをユリーリャとお揃いに出来たらなぁ〜、、、、いやいや無理な事考えてるとか、馬鹿か)」
「そうですか、(絶対あの顔は欲しいに決まってる!何故かアル様の悲しい顔は見たくないんだよ、だから!ぁ、そうだ!)
「さ、俺のオススメの喫茶店があるから、行こう」
アル君にそう言われて僕はアル君に着いて行く。
「《アル様も絶対欲しいよね!あれは!?》」
「《姉さん、分かったから落ち着いて》」
「《はぁ〜本当、焦ったいなぁ〜》」
喫茶店に行き、暫く時間を潰してから僕はアル君にある提案をしてみた。
「あの、アル君、今3時40分だよね?」
「うん、3時40分だな?」
「今から1時間、各自1人で行動して1時間後に広場の噴水の所で待ち合わせってどうです?」
「、、、、ぇ? (その提案は俺にとってはとっても好都合だけど、ぇ!何、まさか、ユリーリャ、俺とのお出かけ楽しくなかったか?!)」
「わ、分かった。良いぞ」
「良かった。じゃ、僕先に行きますね。ぁ、僕の分のお金は此処に置いておくので」
僕はそう言って、コーヒーの最後の1口を飲んだから喫茶店から出て目的のあの場所に向かった。そして、1時間後、、、、
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「アル様遅いな〜、どうしたんだろ?」
後数分で1時間経つ頃に僕はひと足先に噴水前に着いて居た。数分待っていると、背後に気配がして振り返ると、
「、!?アル君いつの間に?」
「今さっき来た所、て言うか待たせてごめんな」
「ううん、大丈夫ですよ、、、、」
アル君の手には紙袋が、と言う僕も小さい紙袋を持ってはいるが、少しの沈黙の後、アル君が紙袋を開けた。
「その、これユリーリャに似合うと思って」
そう言って袋から取り出したのは、僕が可愛いな、付けてみたいなって思っていた、ガーベラの刺繍が入った淡いベージュ色のリボンを取り出した。
「これって、ぇ!もしかして、僕が」
「うん、ユリーリャが欲しそうに見てたってのもあったけど、その自由な時間貰って1番最初に思い浮かんだのがユリーリャでさ、このリボンを付けたユリーリャの事考えたら、色々想像出来て、それで買ってみた。あと、店主の人にもう1つオマケでくれた」
「その嫌だったか?(もしこれで、嫌って言われたら、俺は泣くかも。いや泣くな)」
そう言ってもう1つリボンを取り出すアル君。
「、、、、何で、僕にこのリボンを?」
「ぇ?」
「だって、こーゆうのって普通は可愛い子とかが、、、 「俺から見たらユリーリャが1番可愛いけど?」 、、、、へ?」
僕が自虐じみた事を言おうとしたらすぐさま低い声で、凄まじい事を言ったアル君。僕は言葉を理解して一瞬で顔が真っ赤になってしまった。
「、、、、ボフッ ///////// な、何言って!?ご冗談を!」
「冗談じゃないよ?、俺はユリーリャの事1番可愛いと思ってる」
「いやいや、ユフィーネさんとか、マーシャさんとか、ミーシャさんの方が可愛いですって!」
「《あれ?あたしとミーシャ巻き込まれちゃった》」
「《こんなのには巻き込まれたくないよ》」
「《アル様、堂々としっかりとユリーリャに言えた、、、、、大きくなって!》」
「「《シャルヤさんはアル様の保護者??》」」
何て声が聞こえるのはさておき、アル君はと言うと。
「ユフィーネ達は、可愛いって言うより綺麗だろ?」
「今は可愛いだ。俺昔から可愛い子って言うのは小柄で華奢、目が大きくてまつ毛も長い、それで笑顔が素敵な子が可愛いんだって母さんと姉さん達から教わった」
「、、、、アル様は僕が可愛いんですか?」
「あぁ、俺が今まで見た人の中で1番可愛いよ。この気持ちは覆らないからな?」
「(、、、、俺とうとう、ユリーリャに可愛いって言っちゃった!どうしよう、てか、ユリーリャさっき顔真っ赤になったよね!?なったよね!!????)」
「、、、、わ、分かりました。喜んで、受け取りますよ笑」
「そうしてもらえると、俺も嬉しいよ」
そうちょと和やかな雰囲気になり、次は僕の番かと僕が喋ろうとしたら、アル様が思い出したかの様に、
「ぁ、あと、これ、店主の人にオススメされて」
次はポケットから、小さい箱を取り出すアル君に僕は少し嫌な予感がする。
「《シャルヤさん、あれって!》」
「《ミーシャ、マーシャを黙らせて》」
「《分かりました。姉さん、シッ!》」
「えっと、嫌だったら受け取らなくて良いんだが」
そう言いながら、箱をパカッ と開けるとそこには横で8、∞の間の右にルビーの宝石が付けられた綺麗な指輪があった。
「その、、、、、アル君、店主さんにどんな風にオススメされたの?」
僕は冷静にそうアル君、いやアル様に聞く。聞くとアル様は、事細かに詳細を教えてくれた。
「えぇと、最初、リボンだけを買おうとして居たら店主に『坊ちゃん!さっきの子にプレゼントを贈るんだったら、この指輪がオススメだよ!贈った相手との絆は永遠!喜ばれる事間違いなし!特に記念日とかね!』って、今日は従者になって1週間記念だし、それに、《喜ばれるって、言われたから》」
「(ユリーリャ、怒ってるの!?ぇ!指輪って嫌なの?でも、姉さん達が指輪を贈られるのはとっても嬉しい事だよって、言ってたし、)」
そう最後の方は声が小さくなりながらもアル様は教えてくれた。アル様は少しショボンとしててちょと、気の毒に思えた。
店主さん、何か勘違いしてますね!?僕ら、カップルでも何でもない、ただの主従関係!アル様は僕の事が好きらしいが、僕はアル様の事は主人としてしか考えてません。
確かに、アル様が居ない所でもアル様の事考えたり、アル様の笑顔を見るとちょと胸がキュッ てしたり、アル様のそばにいると少し落ち着いたりするが、こんなのは恋でも何でもない!
僕はそう思いながら、アル様を見る。
「はぁ、怒ってません。それ、そのせっかく僕の為に買ってくれたんですから、貰います」
「本当!良かった笑」
「ドキッ// じゃなくて、アル様のもあるんですよね?」
「あぁ、あるぞ」
そう言ってもう1つのポケットから箱を取り出して開けると宝石がサファイヤ以外同じ指輪だった。店主さん、狙いましたね?
「ペアリングかぁ〜」
「??」
「《指輪、、、、、結婚??》」
「《姐さんは何で指輪を贈られるのをいちいち、結婚と結びつけるの》」
「《アル様は結婚=指輪って知らないと思うよ。でもあの指輪の宝石、、、、》」
「「《宝石??》」」
「《お互いが何処に居るかすぐに分かる最新魔法、GPS魔法がかけられてる。それも両方、多分あれアル様だ》」
「「《マジか》」」
何か、不穏な言葉が聞こえたが、それを無視して僕は小さい紙袋をアル様に渡した。
「これ、良かったら、その」
「ぇ?良いの?」
アル様はすぐに紙袋を開けて中身を出した。その中身は、
「これ、俺が見てたブレスレット!何で!」
「アル様、欲しそうに見てたし、それにアル様と同じでアル様が居ない時にある様に似合う物とか、って考えてて、それで丁度アル様に良いんじゃないかって思ってたんで。これは、そうですね、僕からの僕の主人1週間記念って事で!」
「!、、、、笑、何だそれ笑、あぁ、なら喜んで貰うよ」
「(何この子、超良い子!てか、俺がそばに居ない時に俺の事考えててくれたのか!?恋じゃん!それ恋だろ!、って、ないない、それだけじゃ恋じゃない)」
僕がそう言うと、アル様は一瞬驚いた表情をしたあと、笑いながらブレスレットを右手に付けた。
「ぁ、その、急いで買って宝石、魔鉱石に魔法かけとくのに少し時間はかかったんですけど、一応、それに結界魔法と危険察知のスキルをかけてみたので、因みに、アル様の危険を察知したりすると自動で発動するので、」
「何か、凄い物貰っちゃった」
「《へぇ〜良いかも、今度魔鉱石の宝石買って自分でアクセ作ろ》」
「《それあたしも欲しい!》」
「《私も欲しいな》」
「《はいはい、作ってみるよ》」
「「《わーい!》」」
「因みに、僕もそのお店の店主さんにオススメされて同じのを買いました」
「(、、、、シャァ!!ユリーリャとお揃いだよ!!、、、、ん、待てよ)」
僕も右手にブレスレットを付けながらある事に気づいて、僕はアル様の顔を見ると、アル様と目があった。
「トギッ ブワッ ///// ビックリした」
「ぁ、いやごめんな。今、気づいたんだけど、俺が贈ったリボン、そして指輪、」
「それで僕が贈ったブレスレットで合計3点がお揃いになりましたね」
「だな、何か嬉しいわ笑」
嬉しそうに笑うアル様を見て、僕は自然と笑みが溢れてしまった。アル様の喜んでる姿を見ているだけで、心がキューって締め付けられるぐらい、嬉しくなった。僕はある事を閃いて、アル様が持ってたリボンを取って、アル様の1つ結びにしている髪ゴムの部分にリボンを付ける。そして僕もすかさず貰ったリボンでハーフアップにしている髪ゴムにリボンを結ぶ。
「わっ、!な、 「ちょと待ってください」 は、はい」
「よし完成!」
「何した?、、、、って、もしかして」
「ブレスレットとリボンがお揃いですね!」
「ん、笑 あぁ、そうだな、、、、(はわわっ ほんとの天使って居るんだな!はぁ、本当に好き!、、、、てか、ユリーリャって恋とかした事あるのか?)」
僕はお揃いが嬉しくなって、ちょとはしゃいでいたら、アル様に質問をされた。アル様の声質が少し冷静な声だった。
「、、、、ユリーリャ、聞いても良いか?」
「ん?何ですか?」
「そのユリーリャは恋をした事があるか?」
「、、、、、、、、へ?」
突然のぶっ飛んだ話に僕は驚きながらもすぐに答えが出る。
と言うか、アル様恋をした事あるか、なんて言う質問してくるんだ?シャルヤさん達はアル様は僕が好きって言うが僕はそれが信じれない。でも、もし本当なら、
「ないですけど」
「だと思った」
「何ですか、アル様貶してるんですか?」
「いや、違う、その俺もこの前まではそうだったし」
「??この前までは、あぁ、その2日前、湯船を上がる時に言った言葉覚えているか?」
そう真剣で惹きつけられる声で言うアル様に僕は覚えている限りな事を伝える。
「はい、いきなり 「好きだ、大好きだ!」、って言われた時はビックリしましたけど」
「あの言葉、他の皆さんに言ってなかったですよね?」
「そりゃあ、言う訳ないだろ?ユリーリャが好きなんだから」
「、、、、ジュ 「従者としてじゃなく恋愛対象に見てるからな」 ウグッ 」
冗談だと思い先手を打とうとしたら、先に打たれてしまった。僕は突然の告白の驚きで足元がおぼつかない。
「俺も最初は恋とは何だ?って思えた、だけどユリーリャ、君と出会ってから恋を自覚してしまった」
「それでは、シャルヤに聞いたんだ。恋の自覚症状って言うのを」
「恋の自覚症状?」
「あぁ、例えばその人が近くに居ると、落ち着く?」
「(、、、、落ち着く人、、、、、ぁ、アル様は結構落ち着く、でも他の人も落ち着くし)」
「他はその人のそばにいるとドキドキしてしまう?」
「(う〜ん、どうだろう、でも○かな。いつもではないけどアル様のそばにいると無駄にドキッてする事が多いから)」
「ぁ、これが的確だ。その人の幸せや笑顔を守りたいと思った事があるか?」
「(、、、、、、、、これも○じゃね?ぇ、そうじゃん、僕アル様の美味しそうに食べる笑顔守りたいって思ったじゃん!確かに、美味しそうに食べる=幸せ、みたいな事あるし!)」
次々と来る恋の自覚症状の例題を聞いて僕は色々混乱していると、アル様が最後の例題を聞きながら僕を落ち着かせる為に、右手を僕の頭上に持ってくる。
「《そーいや、あと5秒で5時じゃん》」
「《?5時だと何かあるの?シャルヤさん!》」
「最後は、、、、、これは俺も今日は同じ行動したけど、その人がそばに居なくてもその人の事を考えたり、その人が喜んでくれる事を考えたりする。その人の笑顔を考えたりする?笑」
そう言いながら、僕の頭を撫でるアル様の笑顔を見て、僕は今日1日の事を思い出した。僕はアル様が喜んでくれるかなって思いながら、想像しながらブレスレットを買った。アル様の笑顔が見たかったから、今日僕は殆どの考え事はアル様の事だけだ。それに、アル様に好きだって言われてからアル様の事を考えると変にドキドキしたり意識してたし。
今日の朝、アル様は照れながらも僕の服装を褒めたんだと思ったけど、実は僕が好きだから照れながら褒めた。それに、2日前のお風呂でのあの言葉だって僕の事が好きだからそれに気づいてからは、僕は気付けば、顔を真っ赤にし、
「ブワッ ////////////////// (ぁ、僕、アル様が好きなんだ)」
これが、ユリーリャことユリスティアがフィアルドへの恋を自覚した瞬間であり、恋に完全に落ちた瞬間だった。
ジャー‼︎ パシャ ポチャ ポチャ
「《ぁ、あの噂ですね。午後5時の王都の1番デカい広場の噴水の前で一緒に居る2人は生涯幸せな夫婦になる話ですよね》」
そう大きな音が聞こえ、噴水を見ると噴水に大きく綺麗なハートの形をした水が一瞬浮かんでいた。それを僕とアル様は一瞬だけだったが、ハートをちゃんと見れた。
「あのハート綺麗だったな?(ま、ユリーリャの方が綺麗でとっても可愛いよ!)」
「ピャッ ///// は、はいそうですね」
そう言いながら、僕らは少ししたら王宮に、ボタン宮に帰った。
表の性格と内なる性格が良い意味で違うフィアルドと初めての恋を自覚して
一旦、終わり。
前世の記憶持ちの料理好きΩ、何故か王子様達に気に入られました。 橋本衣 @yuitakahasi
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