第7話 恋の自覚と初デート
「あぁ〜、無理だ、」
「どうしたんですか、アル様、てかケーキこれで4つ目ですが?」
「聞かないでくれ」
昨日、ユリーリャに告白してからずっと悩んでいる俺は、現在執務室の机で項垂れている。そして先ほど4つ目のケーキを食べ始めたばかりだ。
シャルヤは俺の仕事を手伝ってくれており、今は資料の作成をしてくれている。
「、、、、なぁ、シャルヤ」
「何ですか?」
「お前は恋をした事があるか?」
「、、、、、////はぁ?!?何いきなりぶっ込んでるんですか!?」
「ぶっ込んではないと思うが、、パクッ」
一瞬で顔を真っ赤にして大きな声をあげるシャルヤに少し驚く俺は顔をあげる。少し表情が固くなり、動きもぎこちなくなってて少し面白いな何て、思いながらシャルヤを見る。このケーキ、美味いな、、、
「、、、、一応はありますけど、」
「へぇ〜、いつ? パクッ 」
「いつぅ!?そこまで聞きたいんですか?、、、、」
「まぁ、初恋は4歳ですね。次の恋は10歳の時ですが」
そう言われて俺は一瞬考えて、10歳の時のシャルヤを思い出したら、ある人物が浮かび上がった。確かに、その頃のシャルヤはいつも周りを見ていて少し挙動不審だった事が多かったな、と思い出した。コーヒーを啜りながら、声を出す。
「ズズッ、、、、あぁ、ナーシャ姉さんか」
「!!、、、、気付いてたんですか?」
「?兄さん達も知ってる話だぞ」
「マジですか、、、、はぁ、今度問い詰めとかなきゃ」
「もう1つ聞いてもいいか?」
「良いですよ?」
「その、お前の恋の自覚症状って何だと思う」
俺は真剣な顔で、そうシャルヤに聞くと少し驚きながら、ちょと考え込んだ後、言葉を発した。
「そうですね。例えばですが、その人に会ってる時に微笑んでしまう、とか」
「、、、、パクッ(○だな、ユリーリャを見ると少し表情筋が緩んでしまう)」
「他には、その人が近づくとドキドキしてしまったり、とか」
「、、、、パクッ(これも○だな、ユリーリャが近づいてきたりすると、心拍が急上昇したりするし)」
「あとは、その人と目と目で話したら照れたり、そばに居ると気持ちが落ち着いたりする、とか」
「、、、、ズズッ(これも○だよな。ユリーリャの笑顔が眩しすぎて、目と目で話せないし、だけどそばに居ると落ち着いたりするし、ほわってするしな)」
「(それに、ユリーリャに似合う服とか可愛いアクセサリーとか、後ユリーリャと一緒にご飯食べたいな〜とか、ユリーリャの人生が幸せになって欲しいな〜何て、思ったりするし)」
何て思っていると、思い出したかの様に、俺に話しかける。
「、、ぁ、これもあった。その人を幸せにしたいって思えたり、その人が居ない時でもその人の事を考えたり、その人を思ったりするのが、恋なんですよ」
「、、、、ブフッ ゲホッ ケホッ(これも、これも○だ。確かに、さっきもユリーリャの事考えてたし!そうだよ?俺、ユリーリャの事幸せにしたいよ!)」
「大丈夫ですか?
、、、、、、、、?ちょっと待ってください。何で、アル様そんな質問してきたんですか?」
「まさか、アル様、恋してるんですか????」
少し考えた後、俺に向けてニヤッとした顔でそう言うシャルヤに俺は一瞬だじろってしまい口籠ってしまった。
「!?、、、、いや、ちがっ、、、、、、、、いや、その合ってる//////////」
「!!!!!!ユフィーネさん達に報こっ、」
「他の奴らに言ったら給料減らすぞ」
「、、、、チッ 分かりましたよ、、、、で?何で、そう思ったんですか?」
「さっき、シャルヤが言った恋の自覚症状、全部当てはまっていたからな、」
「へぇ〜例えば、?」
「例えば、、、、その人が近づくとドキドキしてしまったり、だと、俺の心拍は急上昇したりするし、あとはその人を幸せにしたいって思ったりするのも、俺はその人の人生を俺の人生を捧げたいぐらい幸せにしたいと思っている」
「これは、恋なんだろ?」
「うっわ、それ完全に恋じゃないですか、、、、で?相手は?」
「、、、、言わないといけないのか?」
「言ってくださいよ。私が知ってる人だったら、極力出来るかもしれないですよ?」
「揶揄わないか?」
「ハハッ 人の色恋沙汰を揶揄う様な腐った心は持ってないんで安心してください」
「なら、信頼してるから言うが、、、、その、、」
一瞬の沈黙の後、俺は思い口を開いてシャルヤに話す。
「ユリーリャ、、だ」
「、、、、マジですか??」
「マジだ。嘘を言うとでも?」
「いや、疑う訳ではないんですが、、、、マジですか〜」
驚いた表情をするシャルヤに俺はコーヒーを飲みながら、疑いの表情で見る。
「良いとは思いますが、何でユリーリャ何ですか?」
「最初は普通にユリーリャは新しい従者としか見てなかった。だが、ユリーリャから香る甘い匂いがずっと脳裏、体に残って、それに体がブワッと熱くなるんだ。それからずっとユリーリャの事が気になってきて、それでだ」
俺がそう言う返答すると、シャルヤは嬉しそうに楽しそうにして俺も少し嬉しくなったら、シャルヤが一瞬、考えて俺に問いかけてくる。
「へぇ〜、そーゆう理由です、、か、、、、ん?ちょっと待ってください。ユリーリャから甘い匂いがするんですか?」
「あぁ?シャルヤ達も香るだろ?」
「いやいや、全然匂いませんよ!ガゼルさんやユフィーネさんみたいに匂いに敏感な2人も匂わないって言ってますし!」
「へ?なら、俺が感じたユリーリャの匂いは何なんだ?」
俺が困惑していると、シャルヤは話を変えるかの様に手を合わせて、俺に提案してきた。
「パンッ 今日の夕飯はお肉尽くしにしますよ。後、今日は何処かのタイミングでユリーリャと2人っきりにしてみますので、それで色々考えてみてください。その時に、ユリーリャとしたい事をユリーリャに言ってみたら?」
「、、、、あぁ、そうしてみるよ。ズズッ」
「じゃ、私は他の仕事に戻りますね」
そう言って、シャルヤは執務室から出て行った。俺はケーキを一瞬で食べ終わり、コーヒーの2杯目に入った。そして、ユリーリャと何しようか、考えている。
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「ユリーリャ、そろそろ休憩しましょう」
「、、、、、、、、」
「ユリーリャ?どうした?」
「、、、、へ?な、何?」
「いや、休憩しようと声かけたら黙々と黙って衣類畳んでるから、」
「ぁ、すいません」
「良いんだけど、何か心此処にあらずって感じだったね」
僕はそう言って作業している手を止めた。
ハルーラさんの言う通り、何で僕が心此処にあらず状態になったかと言うとそれは、、、、、、、、
そう、それは昨日のアル様の感謝が、何かずっと僕の心に残り続けてる。
いや、別に、アル様から“大好き“って言葉が、想像以上にカッコよすぎだとか、流石王子だとか、あぁ、他の人にもこんな事言ってんだろうな〜とか、思ってるんじゃないからね?!思ってないから!
色々考えてたら少々寝不足になってしまった。
「はい、コーヒー」
「ありがとうございます」
すると、ハルーラさんがコーヒーを淹れてくれて、椅子に座って僕とハルーラさん、ララネさんの3人で休憩する。コーヒーを1口飲んで少し落ち着いたので、僕は違和感ない様に2人に昨日の事を伝えてみる。
「あの、昨日僕アル様と一緒にお風呂入ったんです。その時にアル様に「大好き」って、言われて」
「え″?マジ?」
僕がそう言うと、目の前は驚いた表情をしている2人からではなく後ろから、驚いた声が聞こえ、僕は咄嗟に後ろを振り返った。そこには、
「ぁ、シャルヤさん」
「ユリーリャ、その話ほんと!?」 ブンッブンッ
シャルヤさんは扉付近に居たのに一瞬で僕の所まで来て、僕の肩を掴んで僕を揺らす。僕は揺られながらも返答する。
「はい、アル様に誘われて、一緒にお風呂入って上がる際に大好きって言われました」
「マジか、、、、《あの人色々飛ばしすぎだよ》」
「?」
「まぁ、シャルヤさん落ち着いて、はい、コーヒー飲んで落ち着いて、それに座って下さい」
ハルーラさんの一言で、シャルヤさんは座ってコーヒーを飲んで落ち着いて、再び僕の方を見る。
「あの、何かおかしたですか?普通じゃないんですか?従者に大好き、主人として従者の事がって意味じゃ?それに、一緒にお風呂に入る事だって、ありそうですけど」
「、、、、確かに昔、小さい頃は私もアル様と一緒にお風呂に入ってましたが、私が中等部に上がってからは一緒に入る事なんて殆どないに等しいし、私らに大好き何て言葉一度も言ったことないし、そもそもあの人が私らに向けてくれる言葉の最上級は」
「「「大切に思ってる・感謝している、かのどっちか」」」
「わぁ〜」
そう声を揃えて言う3人に僕は少し驚く。
「ぇ?じゃあ、アル様が何で僕に大好きって」
「さぁ?、、、、あの人もそろそろ春かな〜」
「じゃあアル様の初恋はユリーリャって事になるね」
「、、、、え?」
「ララネの言う通りだね。アル様って恋とかに興味ないのに」
「だね〜笑」
「嘘だぁ〜」
「「「イヤ、ほんと」」」
そう口を揃えて言う3人に圧巻されながらも僕は否定をする。
「イヤイヤ、そんな訳ないじゃないですか」
「アル様だって1人の男ですよ。好きな人の1人や2人居るに決まって 「アル様は自分に近づく人は大抵自分の地位かαとしてしか見られてないから、幼い頃から恋愛を嫌ってた部分があるんだよね」 、、、、」
圧倒的事実を突き付けられて僕は否定出来ずに黙ってしまった。少し考える、あの時のアル様の手は熱かったし、それに大好きって言う前の言葉も少し緊張していると感じてしまった。
「でも、本当にアル様が僕を好きになってるんでしょうか。僕は身元もしっかりしてないし、それにアル様にはもっと似合う方が居ますよ。僕を好きになっても幸せになんて、、、、」
「そんな事は、殿下が決める事であって、ユリーリャが決める事じゃないわよ」
言い切ろうとしていると、またまた後ろからキリッとした声が聞こえ後ろを振り返ると、ケーキとコーヒーを置いたお盆を持つユフィーネさんが居た。
「ユフィーネさん、」
「ユリーリャ、貴方は殿下の事、どう思う?」
「へ?、、、、主人として大切に思ってます。保護してくれた恩だってあるしアル様の事は人としても尊敬してます」
「なら、今はそれで良いのよ。今わね」
「今は?」
「えぇ、人って言うのはその人に向ける感情は変わっていくものなの。この先貴方が殿下に向ける感情が尊敬から恋に変わることだって十分あるわ。だから、今はそれで良いのよ」
そう悟す様に優しく言ってくれたユフィーネさんは僕に近づいて僕に笑顔でお盆を渡してきた。
「試しに、これ殿下の所に持って行って、あの人仕事中はスイーツ食べないと捗らないから」
「、、、、わ、分かりました。行ってきます、、、、ゴクッ ゴクッ ゴクッ」
僕はそう言ってすぐにコーヒーを飲み干してから従者部屋から出て、アル様の執務室まで向かう。向かう道中、とっても緊張してしまって、アル様に会うのが良い意味で恥ずかしがってしまったのはここだけの話だ。
アル様への恋の自覚まであと1日、、、、
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