第3話 続き



だが、シャルヤさんの真後ろにあった柱に魔力弾が当たった瞬間、大きく爆発が起きた。シャルヤさんは驚きながら後ろを振り向く。

振り向けば、柱は支えていた所がなくなり、シャルヤさん目掛けて倒れ込む様に倒れた。

が、すぐにシャルヤさんは大きく下がる。

が、


ボロッ!! カッ!


「ヒュッ ッ、(頬に柱の欠片が擦り、頬が切れ血が出る)」


「ぉ、ハルーラさん、これってどうなの?僕1?」


「そうだね。ユリーリャの魔法で怪我したから、1ゲットだよ」


「ヤッタね!」


「マジで、こりゃあマジでやんなきゃ。これは、使わないと思ってたけど、笑」


明るく言うが声は低い。笑顔で言いながら、剣に着いた僕の血を舐めた。


「うわっ、何やってるの」


「ぇ、シャルヤさん、それやんの」


「すぐ解除すれば良いからね〜笑」


少し引いていると、次の瞬間身体が重くなって寒気、全身にダルさ、喉の痛みが来て、立てられなくなり、立っていた所に座り込んでしまった。手や足も力が入らず、地面に触れている面積が増えた。


ペタンッ


「何、これッ」


「俺のS級固有魔法、ウイルス生成。人の血を一度でも俺の体内に保存されたら、そいつに好きなウイルス、病気を発症させる事が出来る魔法、って言えば分かる?」


「ほんと、シャルヤさんの魔法ってえげつないよね〜」


「はっ、ヤバ」


「これ使ったのほんと久しぶり、使わせてくれてありがとね〜」


そう言いながら、僕の目の前まで来たシャルヤさん。

シャルヤさんは氷の剣を僕の太ももと太ももの間に勢い良く落とした。


ガッ


落とした部分はスカートがあり、落とした勢いで大きく破れた。


「ビリッ これ、はっ、ヤバ、い」


「どうする、降参する?私はどれでも良いけど」


「んな事、しませんよッ!」


僕はそうシャルヤさんの顔を見て言い、両手の手のひらで地面に触れた。

シャルヤさんは剣を抜いて、僕の頬に触れさせた。


ピトッ


触れると頬から冷たさが伝い、身体がブルッとなった。頬が切れ、血がスッと流れる。


「なら、どうする?ここでやられる?」


「やられるのは、シャルヤさん。アンタの方だ、笑」


シュッ ガシッ ガシッ ガシッ


僕が言った瞬間、シャルヤさんの背後から、無数の植物の蔦が生えて、シャルヤさんの腕や足、腹を勢い良くそして強く掴む。


「ッ これも君の魔法の1つ?基礎魔法の1つではなさそうだし、これも固有魔法?」


「正解です。抵抗、しない、方が良い、です、よ、ハァ」


「そうなの?本当か気になるなぁ」


グッ ガシッッ ガシッッ


何て言いながら、蔓を外そうと力を入れているが、寧ろそれで蔓の力が力む。僕はバレない様に全身の血液を魔力で操作する。


「ツ こりゃあ、下手な抵抗はダメだな」


「じゃ、ここから反撃です、ね」


僕はそう言いながら、立ち上がった。立ち上がりながら、太もものホルスターに収めてた拳銃を取り出す。


スッ カチャ


「よっと、あれ?驚いてます?」


「あぁ、正直驚いてるよ。この魔法を突破される事なんて中々ないから」

「ユリーリャ、君は本当に何者なんだい?」


「ハハッ ただのアル様のメイドですよ?」


「嘘、シャルヤさんの魔法を突破しちゃった。ヤバっ」


驚いた顔をしながら、引き攣った笑顔を僕に向けるシャルヤさん。驚きながら、だけど楽しそうに僕らを見ているハルーラさん。


「じゃ、これで最後です」


「《拳銃を小型ナイフに変換》


僕が小声でそう言うと、手のひらにあった拳銃が小型ナイフに変わり、僕は拘束しているシャルヤさんの真ん前に歩いた。


ピトッ


僕は躊躇せずに、シャルヤさんの首目掛けてナイフで斬りつけた。


ザシュッ


「ツ 」


「これで、2つ目次は何処が良いですか?」


斬った所から血がタラッと出て来たが、シャルヤさんの顔は苦痛を感じてなかった。慣れているっぽい。


「何処?選ばせてくれるんだ。なら、次はこの一撃で死ぬって言う攻撃してくれない?」


「難しい要求ですね。了解ですよ」

「死ぬかもですけど?」


「大丈夫、ハルーラ、蘇生魔法得意だから」


「何でも、僕任せにするの良くないですけど!?」


僕はそう言いながら、ナイフを拳銃に戻して、シャルヤさんのおでこに銃口を当てる。


カチャ ピットリ


「これで、3つ目、終わりです」


僕は魔力弾で細長く鋭く、少数の魔力で生成し、勢い良く撃つ。


バンッッッ!


「ッ 」


コツンッ


当たった魔力弾はシャルヤさんのおでこを貫通せず、小さい穴だけが出て、そこから血が垂れている。


「?」


シャルヤさんは何が起こったか、分からずおでこを触っている。


「笑、貫通させるとでも?僕、そんな事する人だと、思われてたんですか?」

「貫通させない様にしましだが、血は出る様にしましたけど」


「ハハッ、こりゃあ、私の負けだな」

「ハルーラ、何分で終わった?」


そう笑いながら、ハルーラさんの方を向いて、聞いている。驚いていて、ぼーっとしていたが、急いで懐中時計を取り出して、時間を確認している。


「ぇ、ぁ、約10分、過去最短記録です」


「「マジで/なの!?」」 「「「本当/です/か!?」」」


ハルーラさんがそう言うと、近くの柱からガゼルさん達が大きな声を出して出て来た。


「みなさん。いつから」


「爆発音聞いて、俺ら急いで来たよ。いやぁ、まさか、10分であのシャル坊に傷3つ付けれたな」


「私でも30分必要だったのに」


「あたしも30分はないと!」


「あのって?」


ガゼルさんの言葉が気になり、聞くと、ララネさんが答えてくれた。


「シャルヤさんって王立学園で入学してからずっと勉強と魔法での成績は学年1位だし、生徒会長なんだよ。因みに、シャルヤさんの師匠って元国王直属の近衛騎士団長で現在は近衛騎士団の指南役やってて、軍務大臣のジマーラさんだよ」


「ぇ?、、、、えぇ〜!!!!!!?」


そう言われて僕は驚いた。国王直属の近衛騎士団長と言うのは、なる事はとっても難しく、国王の相棒みたいなポジションとも呼ばれ、王子や王女の近衛騎士団を経験したのち、国王の近衛騎士団に入れるのだって厳しく難しいのに、とても凄い事。それに、ジマーラさんの事良く母様や父様達から聞いていた。


「凄いじゃないですか。だから、剣の太刀筋が良かったんですね!」


「まぁね。あの人の元で過ごしてたから、それなりに強くはなったけど、まだまだだよ」


「そうですね〜、本当僕をこき使わせないでよね〜」


そう怒り口調で僕とシャルヤさんの怪我を治してくれているハルーラさん。そんなハルーラさんを見て、僕とシャルヤさんは笑い合うと、軽く頭を叩かれた。


「ぁ、ユフィーネさん、買い物袋持って来てくれました?」


「持って来たわよ。そうだ。さっき殿下が来て言ってたんだけど、夕ご飯お肉尽しが良いそうよ」


「まぁた、国王にストレス与えられたから」


「無茶振りじゃないかしら?国王様、アル様いじめるの好きだから」


「ミーシャがあたしをいじめるのは?」


「好きだから、姉さんをいじめてるの」


「?アル様ってストレス与えられたらお肉尽し何ですか?」


「うん、こーゆう時は野菜食べさせれないんだよね」


「坊ちゃんは好き嫌い激しいからな」


好き嫌いが激しい。そう言われて僕は少しドキッとした。何故なら僕も嫌いな食べ物は結構あるが、それをどれだけ美味く食べれる様にするのが僕の楽しみの1つでもあるが、

何て思っていたら、シャルヤさんとハルーラさんが僕の方を見て来た。


「じゃ、買い物行きますか」


「そうだね。ユリーリャにも王都の案内を少しはしないとね」


「!はい、分かりました!」


そう言われて、僕は少しワクワクした。何故って?僕、王都の中央街は来た事も無かったから、楽しみだ。まぁ、僕の実家のメイドや執事とか使用人とかは来た事あると思うが、僕はないから、楽しみだ。

ガゼルさん達と別れて、2人と一緒にボタン宮を出る。


「ユリーリャ、お前は私らにとって強い味方で、私らはお前にとって頼りにして良い人だからな」


「今日から僕らは家族なんだから、敬語は無くしていこうね?」


「家族、頼りにして良い人、強い味方、、、、!うん!よろしくです!シャルヤさん!ハルーラさん!」


「「さんは要らないかな〜笑」」


「えぇ〜笑、何で笑」



何で笑いながら、歩いて城を出た。2人に挟まれる様に、昔両親と一緒に笑って歩いた様な感じだって、思い出しながら、2人と城から出るのだった。





これから、僕はこの人達とアル様のメイドとして家族の様に暮らすんだって、思うと少し気持ちが軽くなった。そして、少しだけだが、この人達にだけは正体を明かしたくないと思ってしまったのはワガママなのかと不安になってしまった。


























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