第2話 続き




暫く歩くと、【第3王子専属従者控室】と、書かれた看板がかけられた扉の前に着いた。


「此処だよ。みんな、居ると思うから」


そう言って、シャルヤさんが扉を力強く開けた。開けると、その中には、


「ぁ!シャルヤさん!遅〜い!」


「わっ!」


入ってすぐにシャルヤさんめがけて突撃して来たのはミルクティー色の髪色にオレンジ色のメッシュでツインテールをしてメイド服を着た女の子が突撃して来た。シャルヤさんは冷静に女の子を止めた。


「マーシャ、落ち着け」


「酷〜い!って、その可愛い子誰!」


「新人、ほら、アル様が助けた」


「あぁ〜、坊ちゃんが助けたって言う」


「そう、って、ガゼルさん、近衛騎士団から訓練頼まれてなかったですか?」


「ん〜?今度やるよ」


「そう言ってガゼルさんがやらなかった事、何回あるんだか笑、ぁ、シャルヤさんコーヒー淹れました。君飲める?」


コーヒーを持って来て僕とシャルヤさんに声をかけて来た褐色肌の青年に困惑しながらも、みんなに自己紹介をすると、周りのみんなが次々と自己紹介をして来た。


「はい!ぁ、えっと、ユリーリャって言います!12歳で男です!」


「よろしく〜、あたしはマーシャ!隣に居るのが双子の妹のミーシャだよ!年齢は今年で14歳!」


隣で静かだった、ミーシャさん?は顔はマーシャさんに似て居て、クールで美人系で吊り目、マーシャは綺麗な可愛い系のタレ目。髪色はミルクティー色に青色のメッシュでロングでハーフアップをして居て、目の色がオレンジ色、マーシャは青色で、ミーシャさんは大人な雰囲気を駄々よわせながら僕の顔を見ながら口を開いた。


「ミーシャです。私達は柴犬の獣人なの。元々は孤児だったけど、10歳の時にアル様に拾われてからはメイドとして働いている」


「俺は、ガゼル・ヒューゼン。この中では最年長で今年で32歳だ。元第1王子近衛騎士団の専属騎士。ファリミド様が、隣国の王太子になってからは坊ちゃんの従者やってる」


ミーシャさんの次に自己紹介をしたのは、作業着を着て、コーヒーを飲みながら男らしく自己紹介したガゼルさん。額に傷跡があり、緑髪に水色の瞳。顔立ちは男前美形って感じだ。


「ヒューゼンって、確か、伯爵家に、」


「そっ、騎士を多く出してる家で、今は弟が次期当主として奮闘してる」


「僕は、ハルーラ。今年で16歳でサシア人で孤児でスパイ活動させられて居たが、アル様に救われて執事として働いてるよ」


そう爽やかに言われたが、サシア人と聞いて少しビックリとしてしまった。サシア人と言えば、あの種族だよね。それに、良く見ればハルーラさんの見た目は褐色肌に緑色の瞳だし、髪色は濃い茶色。顔立ちは綺麗系美人イケメン。何か、シャルヤさんと同じく何でもそつなくこなせる系イケメンって感じだ。


「サシア人って言えば、褐色肌に緑色の瞳。そして卓越した身体能力に人の数秒先の動きを見通す瞳と人の感情、心の声が聞こえる尖った耳を持つ種族ですよね?」


「そう、南にある小国の種族なんだけど、小国が戦争で潰れてからは別れているんだ。俺と、ララネの場合は幸運かな」


と、ハルーラさんが言うと後ろから、ヒョコッと出て来たのはハルーラさんより一回り、160cmぐらいで髪は白髪でセミロングぐらいの長さでハーフツインをして兎耳を生やし、可愛らしく綺麗系丸い目でタレ目のサシア人の少女?が出て来た。出て来ると、高い声で喋り始めた。僕はその顔を見て、驚愕し言葉が詰まった。


「えっと、同じくサシア人で兎の獣人で元暗殺者で6年前に雇われてた奴から救われてメイドとして働いてる。今年で15歳で一応、男」


「サシア人で獣人族って結構珍しいよね〜、ってユリーリャ、どうした?ヤバいものを見たみたいな顔」


「ぁ、いや、その、昔ララネさんと同じサシア人で兎の獣人の子と会った事があって、その子も元暗殺、 「!!?、、それって!本当か!!?!?」、、、、へ?」


言い終わる前に力強く僕の両肩を掴んで来たララネさんに僕は驚きながらも、答える。ララネさんの顔は焦りながらも力強い目力で僕を見つめる。

そう、僕はララネさんの顔に見覚えがあったのだ。と、言うのも、僕が誘拐される前、僕の専属メイドの1人がララネさんと同じサシア人で兎の獣人で、顔立ちはララネさんを幼く可愛く美人だが似ており、名はギルルと言い元暗殺者だった。

昔、ギルルが常に持って居たペンダントに入れていた写真を見せて貰った。そこに写って居たのがララネさんなのだ。


「いつ!何処で!?今何してる!?」


「えぇと、、4年前に王都で出会いました。上級貴族のメイドをしてるって言ってました。今はどうかは知りませんが、最後に会った時は元気でした」


「そっか、、、、良かった」


「どうした、ララネ坊、ユリーリャ坊の言葉に酷く御乱心じゃねーか。何だ?知り合いか?」


「弟だ。6年前に生き別れてからは会えてなかったからな。元気で良かった」


「あぁ、前に言ってたな。ま、僕にとってはララネは弟みたいなものだがな」


「それなら、ハルーラも私の弟〜」


「シャルヤさん、いや、シャルヤ兄さん。お小遣いちょうだい」


「シャルヤ兄、頂戴」


「おっと、私の弟2人、ちょっと生意気かもしれないな〜笑」


「ララネ君の弟君!あたし気になる!」


「マーシャ、落ち着きなさい。確かに、兄弟と離れ離れになるのは嫌だな」


「私も分かるわよ」


「!!?(誰!?てか、気配に気付かなかった!)」


話して居たら、背後から声がした。瞬時に振り向くと20代前半の綺麗な女性が立って居た。他のみんなは驚かず、平然とコーヒーを飲んでいたので、これが日常茶飯事なのだろう。何て、思って居たら、女性が僕を見ると笑顔を見せた。女性は濃い赤髪に茶色の瞳、髪はお団子にして、顔立ちは綺麗系美人で大人の色気がある。


「ユフィーネさん、遅かったですね、」


「ごめんなさいね。下の子がグズっちゃって」

「で、この子が殿下が言ってた」


「はい、新たにメイドとして雇う事になった」


そこまで言うと僕に目配せをして来たので、僕は立ち上がってユフィーネさんの目を見て自己紹介をした。


「ユリーリャと申します!12歳で男です!今後ともよろしくお願いします!!」


「よろしく、私はユフィーネ・ヒューゼン。26歳よ。元は妃の専属メイドだったんだけど、殿下に誘われて、殿下のメイドになったの」


「そうなんですか。、、、、、、、、ん?ヒューゼン、って」


ユフィーネさんの言葉が気になり、ガゼルさんの顔を見ながら聞いてみると周りのみんなは「聞くと思った」みたいな顔をして居た。


「あぁ、私ガゼルの妻なの。3児の子供を持つね」


「えぇ〜!!!!!!」


「驚くよね〜、あたしも聞いた時は驚いたもん」


「まぁ、元々お2人共王宮内では結構有名でしたけどね。強いもの同士分かり合うものがあったんですよ」


「俺も戦った事があるが、強い。王様に信頼されている理由が分かる」


「確かに、王様や王妃様って強い人は大歓迎って言う人だったわね」


「僕もそれが理由で従者になれたんだと思う」


「私も学園以外は常に訓練だった事あるし、今は落ち着きましたが」


「シャルヤさんっていくつ?」


「今年で18歳ですよ。れっきとした」


「ぁ、良かった。見た目にあった年齢だった」


「ユリーリャ、どう言う意味?」


「まぁ、通ってた学園が同じって事もあったしな」


「ガゼルが学園を卒業するのと同時に結婚したのよね〜。上の子は8歳、真ん中は6歳、下の子2歳なの」


「見えない。これで3児の母とは」


僕がそう言うとユフィーネさんとガゼルさん以外のみんながは口を揃えて「分かる」と、言ってきた。みんなが、思うぐらいユフィーネさんは綺麗で若々しい。


「これで、現アル様の専属従者の紹介は終わったな。基本的な仕事内容は明日から、今日はとりあえず王宮内の案内と私とハルーラと一緒に王都での買い物を手伝って貰います。あと、その前に能力テストも行いますが」


「それまでは、コーヒー飲んで色々、仕事内容とか教えるから」


「分かりました!」


僕はそう言って僕は再び椅子に座って、コーヒーを口にして、皆さんに色々教えて貰った。みんな、色んな理由で従者になって、色んな理由で今があるんだなって思う。みんな、素性が知らない僕と優しく接してくれて本当に嬉しい。僕は誘拐されたおかげで、この人達と出会えたんだって、思えば良い事だと思えてきた。

何て、考えながら、またコーヒーを口に入れて、皆さんと笑い合う。

みなさんの雰囲気は少しだけだが、家族みたいだって思いながら、このいつかバレるかもしれない関係性を大事にしようと思いながらコーヒーを啜る。


皆さんに素性がバレるまで残り1ヶ月、、、、















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