第2話 メイドになります





「ン、 ん〜、 パチパチ 、、、、此処何処だ?」


目が覚めると広く綺麗な部屋のふっかふかのベットで寝ており、綺麗なパジャマを着させて貰っていた。左腕と右足に包帯が巻かれていた。右を見ると外の景色が見える窓があったので、ベットから降りて、大きな窓を開けて外を見た。


「うわぁ、綺麗、これ王都だよね?、王都を上から見えるのって、、、、まさか」


高い所から王都が見える事と、僕が居る場所で自ずと、此処が何処かの答えはすぐに出た。

混乱していると、後ろから扉が開く音がした。後ろを振り返ると、


ガチャ


「ぁ、起きていたのですね」


濃い青髪の長髪に綺麗系美人イケメンで虎の耳と尻尾が生えた男性が立っていた。


「はい、えっと、その」


「詳しい事は、包帯交換の後で良いですか?」


そう笑顔で言われて、はい、としか言えず、ベットに座り、男性は持って来ていたスープとパンをベット横の机に置いてから、椅子を持って来て座り、包帯を変えてくれた。


「私はシャルヤ・フィームエと申します」


「ぁ、えっと、僕は、ユリ ぁ(待てよ。今の僕は黒髪黒目、此処がもし王宮だったら、僕の家の事だって知ってるはずだ。なら、変だって思われる。この魔法、ヘナバでしか解けないし!)」


本名を言うデメリットと考えたら、ヤバいので、偽名を言うことにした。


「ユリーリャって言います」


「ユリーリャですか、失礼だがいくつ?」


「今年で12歳です」


「そうですか、ちょっと待ってて下さい。合わせたい人が居るので、その間にスープなど食べといて下さい」


「はい、分かりました」


「では」


そう言って、シャルヤさんは出て行った。今シャルヤさんの事、良く見たら、王子専属従者のバッチ付けてたぁ〜!!あの人王子の従者じゃん!偉いじゃん!?

そう思いながら、スープとパンを食べて少し落ち着いて来て食べ終わるごろには冷静になれた。

色々考えていた時に扉が開いた。


「ユリーリャさん、戻りました、」


「、、、、」


シャルヤさんの後ろに居たのは、狼の耳と尻尾があって吊り目で、美形、眉目秀麗と言う言葉が合い黒髪に銀髪のメッシュにでハーフアップをして少し威圧感のある男性が居た。


「この方は、フィアルド様、この国の第3王子です」


「フィアルド・シューミスだ」


その言葉と威圧で僕は瞬時にベットの上で正座をした。この威圧感と匂い、完全にαだ。Ωだから、分かる。シャルヤさんはどれか、分かんなかったけど、この人は完全にαだ。僕は本能的に、少し声に緊張が伝う。


「お初にお目にかかります!ユリーリャと言います」


「あぁ、魔力が回復したのか?」


「はい、完全ではないですが、殆どは」


「アル様の王都外の探索で倒れていた、君を助けたんだよ。君、3日間も寝てたんだから」


「あ、ありがとうございます!!王子様に助けて貰うなんて、嬉しい限りです」


「敬語何て、辞めろ。子供に敬語何て、むず痒い」

「あと、王子様ってのも辞めろ。名前の方が良い」


そう言われたので、体制を崩してから、考え込んで、呼ばれているなと思い付いたのを口に出す。

王子は顔を少し赤くしていて、呼ばれ慣れてない事が伺えてしまい。どんな呼び方をすれば良いか、分からなかったが、近くに良い学びがあった。


「では、アル様で良いですか?ぁ、じゃなくて、良い?」


「あぁ、それで頼む」


そう言うと、耳を嬉しそうに動かすアル様。何か、可愛いな、おい。何て思いながら、アル様の顔を見る。


「それで、ユリーリャは何であんな所で倒れてたの?て言うか、魔力を全部使うぐらいの目的は?」


「へ、あぁ、えっと、その会いたい人達が居て、それで、王都に来て」

「でも、家とか分かんないし、会えるかどうかも定かじゃないし」


そう言うと、シャルヤさんが瞬時に良い事を思い付いたかの様に、僕に近づいて、僕の両手を包み込んで、ある提案をして来た。


「なら!アル様のメイドになりませんか!!?」


「「はぁ!!?」」


アル様と声がかぶるぐらい、僕は驚いた。と、言うかアル様も知らなかったぽい。

驚きながら、聞くと笑顔で僕を見続けるシャルヤさん。


「いや、あの何言ってるんですか」


「だって怪我はまだ治らない。それに、君の魔力総量を調べたら王族並み、浮遊魔法が使えるっぽいし、魔力が多ければ色んな魔法が使える。それに、礼儀がしっかりしてる。この三拍子が揃ってるんだから、誘わない手はないよね!?」


そう早口で言ってくるシャルヤさんに捲し立てられる僕ら。すると、アル様が主人の威厳を出すかの様に、喋り始める。

頑張れ、貴方がこの人の主人でしょ!


「別に、俺にメイドなど要ら 「貴方、ここ最近色んな刺客が貴方狙って来るんですが?それに対処している私らの疲労を考えて下さい」 、、、、分かった。良いだろう」


シャルヤさんの言葉で完全に諦めてしまったアル様と実は怒らせたら1番怖い系だと分かっちゃったシャルヤさん。だが、僕だって貴族の人間だ。だから、しっかりと言葉で伝え様と喋る。


「あの、1つ言わせて貰いたいのですが、僕が言うのもあれですが身元がしっかりして居ない人間を、王子専属の従者にするのはどうかと思うのですが?」


そう僕が言うと、2人は長い沈黙の後、シャルヤさんが笑った。シャルヤさんは優しく分かりやすい様に言葉にしてくれた。


「ははっ笑、あ〜、それは大丈夫笑、アル様の専属従者の半分は元孤児や暗殺者、とか身元がしっかりしてない奴だし、むしろ王族の専属従者ってそーゆうの多いから」


「だな。身元がしっかりしてないしてる何て、事より実力があるかどうかで判断したりするしな」


そう言われて、僕は少し納得してしまった。何故なら、僕のメイドや執事などの従者殆ど、身元がしっかりしてないんだもん。そして、僕は次に気になっていた事を恐る恐る手を挙げて聞いてみた。シャルヤさんが「はい、どうぞ」と、言って僕は声を出す。


「あの、何故、メイド何ですか?」


「あぁ、この国での風習で12歳未満の男児は女装をせよ、て言うのがあるんだよね〜。大昔から男児は長生きをしなかったらしく、女装をする事で長生き出来る〜、みたいな」


「へぇ〜(確かに、あの屋敷でも女子の服しか与えられなかったな〜)」


「じゃ、ユリーリャは新しく、アル様の専属メイドになる事で良いですね!ぁ、此処を使って良いので」


「は、はい。よろしくお願いします」


「では、アル様、国王に報告お願いします」


「あぁ、分かった。じゃ、またな。ユリーリャ」


「はい!アル様、えっとそのこれからもよろしくお願いします!! フワッ」


「、、、、 ドキッ 、、ブワッ 、! ///// あぁ、、、、(?今の香りは何だ?甘ったるかったし、それに心臓がドキドキとうるさい、、、、これは何だ!?)」


そう言ってアル様は部屋から出て行った。出て行ったので、シャルヤさんに気になっていた事を聞いてみた。僕はシャルヤさんに何処か安心する雰囲気を感じた。


「あの、シャルヤさん。アル様刺客に狙われてるって、何でですか?」


「?あ〜、それはね、王位継承権2位になった事だからかな〜」


そう言われて、王位継承権2位、だがアル様は第3王子と深く考えたら、昔の事を思い出した。


「??、、、、ぁ!そっか、第1王子のファリミド様が隣国の王女と結婚して、隣国の王太子になったんだ!」


「そう、それで、第2王子のフォージア様が王位継承権第1位になったんだけど、」


「なったんだけど?」


「1年前、フォージア様が魔法騎士庁のトップに立ってしまって、その時に「王位継承権は弟のアルに譲る!」て言われた事で、国王も、それに乗っかてアル様を次期国王にしたんですよ。それを知っているのは一部の貴族や従者だけ、形式上はまだフォージア様が王位継承権第1位なんですけどね」


と、淡々とたけど、苦労をしていると目で分かるぐらい疲れた顔をしているシャルヤさんに少し同情をする僕。


「あ、それでフォージア様派党がアル様に刺客を寄越してるって事ですか?」


「そう!あの人は魔力も多いし固有魔法も強いから、狙われても対処出来るけど、いざとなって魔法が封じられたりしたら、って事もあるし、現在のアル様専属の従者は私を入れて、7人。そろそろ、1人ぐらい新人を入れたいのでね」


そう言いながら、部屋にあった大きなクローゼットからメイド服などの一式を取り出すシャルヤさん。そして、僕の方に歩き出して来る。


「そうですか。それで、あのその手に持っているのって」


「これ着て、他の従者達と会いに行きましょうね?」


「ですよね〜」


僕はそう言って、メイド服を受け取って、シャルヤさんの目の前で着替えた。メイド服の種類はクラシカルスタイルで長いので結構安心出来る。怪我もしているので、所々手伝って貰いながら、何とか着替えれた。


「ありがとうございます」


「いえ、そんな、、、、、ユリーリャの太ももにあるものあざ、薔薇みたいですね」


「へ?」


シャルヤさんにそう言われて、ビックリしたがすぐに、思い出して答える。


「あぁ、これは魔力紋って言って、一部の魔法を効かなくさせるもので、昔親がかけてくれたんです」


「魔力紋ですか、昔書物で見ました。かける人ごとに紋章は変わるって、教えてくれてありがとう」


「いえいえ」


「じゃ、よし、こっち来て」


するとシャルヤさんに手を掴まれて、ドレッサーの前に座らせられて、櫛で髪をとくシャルヤさん。


「ハーフアップ、ツインテール、三つ編み、ポニーテール、お団子、どれが良い?」


「ぇ?、、、、なら、ポニーテールでお願いします」


「OK、任せて」


そう言って手早くそして綺麗に腰まで伸びた髪を1つに結んでくれて、首がスッキリとした。ゴムではなく赤いリボンで結んでくれて、リボンがピンっと立っていて可愛い。


「よし、これでどう?」


「可愛いし、こうやって誰かに結ばれるの久しぶりなんで、結構嬉しいです」


「そっか、よし、じゃ、今から、6人の元に行きましょうか?」


「はい!分かりました!緊張します」


「アイツらに緊張なんてしない方が良いですよ」


そう言われながら、シャルヤさんは扉を開けて、その後ろを着いて行った。

初めて会う人、アル様専属の従者、どんな人だろう。やっぱ精鋭達なのかな。シャルヤさんみたいな人達だったら良いな〜、何て思いながら、シャルヤさんの後ろを歩いて行く。












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