第41話
皆が遠巻きで見つめる中心に、まるで普通の人とは違う雰囲気を纏ったその人たちが会話を交わしている。
「綾人くんも、お誕生日おめでとうございます」
にこやかに声をかけられた先に、男の子が一人、佇んでいた。
色素の薄い髪、姿勢も良く、思わず目を引くほど気品もある。
子供にしては等身もあって、遠くからでも一際目立つ男の子だった。
「ありがとうございます、鷹月様」
まるで子供とは思えないほど完璧な振る舞いで頭を下げる。
傍から見れば普通とは言えない空気の中で平然と笑顔を見せるその男の子は、一斉に周囲の視線を浴びていた。
「惚れ惚れするほど完璧だね、綾人くん。八神さんの血をきちんと受け継いでいる。君を息子に持てるなんて、君のお父様は実に誇らしいだろうね」
「恐縮です」
再び頭を下げて、そうして凛とした顔で前を向く。
そんな息子を一瞥し、父親らしき人は「それにしても」とまるで自然な様子で話を逸らしていた。
「晴一くんは随分大きくなりましたね、今中学生だったかな」
「はい。御無沙汰してます、八神様」
「君もお父さんに似て、素晴らしく聡明だと聞く。将来が楽しみだ。会社のことは、もう?」
「はい。勉学の邪魔にならない程度に少しずつですが……手伝わせてもらってます」
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