第83話

あたし、




『――やっぱり、ココはキスの一つでもしておきたいじゃないですか』



『やっぱり、じゃねェよ!アホかオマエ!!』



あたしっ、コノエくんだけじゃなく、


みっ、ミクさんにも……なんてことを…!!




腕を掴まれていない方の手のひらで、あたしは自分の顔を覆う。




「ご、ごめんなさいごめんなさいごめんなさいいいっ」



「っ、は…?」



「あ、あのっ、さっきまで言ってたのは、ほ、ほ本心ではないと言いますか…!あたし、その、本当になんてことを…!」



「ま、さか……覚えてんの?」



「へ……、覚え…?」



「え、だって前は覚えてなかったのに…」



コノエくんがそう言いながら、視線を横へと背ける。



あたしは周りを見回しながら、自分の置かれている状況を段々と把握してきた。




「く、くく暗い…!暗いです、コノエくんっ…!!」



思わず涙目になり、コノエくんの名前を呼ぶ。

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