第80話
あ、そうだ、あたし、む、…アレを見かけて、鉄格子から手を離しちゃって……、
あ、その前に、体倉庫に閉じ込められて、
あれ、でもなんで、閉じ込められたんだっけ、
ああ、そうだコノエくんを追いかけて――、
『あたし、コノエくんとの方がいいかも…』
『ふぁ…?』
『キッス』
キッスとかふざけたことを…、
ふざけた、ことを――、
「っ!?」
「こよい…?」
ハッ!!!と身体を起こして、あたしはコノエくんを見た。
コノエくんは、目を丸くしてあたしを見つめている。
そんな彼に、あたしは目を見張り、思いっきり口元を押さえた。
安心した様子だったコノエくんの表情は、首を傾げ、きょとんとした顔つきへと変わる。
せっかくマットの上にいたあたしだったけれど、こちらを覗き込むようにして隣にいたコノエくんから逃げるようにして後ずされば、
ずるっ、と。
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