第79話
「えっ、おい!ちょっ!?」
コノエくんの慌てた声が聞こえる。
頭をどこかにぶつけてしまったのか、グワアアンと世界が揺れるような、視界がおかしな感覚に襲われる。
瞼を閉じながら、「いたい…」と口だけを動かせば、あたしの身体が少しだけ浮いたような気がした。
「――い、こよい…!おいってば!」
肩を揺すられるような感覚がして、「ん、」とあたしは瞼を開ける。
薄暗い空間に、ほんの少しだけ日の光が入ってくるそこで、あたしは誰かに肩を揺すられている。
「あれ、ここ……」
「!、あ、起きたっ…!よかった…」
と、珍しく安心したような声をあげるのはコノエくんだった。
マットの上に乗せられた身体は、どこそこにぶつけたせいでとても痛かったりする。
ぼーっとする脳内で、あたしは暗闇に浮かぶ天井を見つめ、
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