第75話

そして、すぐに、



「いっ、イイところって…!まさかお前っ、ふ、服を脱っ、」


「だって、今はコノエくんの逃げ場がないんだもん。逃げ場がないということは、コノエくんに対するあたしの好感度を上げる良いチャンスなんでね、」



首をカキコキと鳴らしながらその場に立ち上がれば、彼は「は…?」と二度目の抜けた声を上げ、





「おねーさん、いいところを見せますね」



「なっ…なに、それっ、意味不明…」



小窓があってよかった。


高い位置にあるものの、そこら中に置いてある物を利用すれば決して届かない距離にない。


窓を指差しながら、「ちょっとあの窓から外見てきます」と言えば、困惑気味のコノエくんは、





「え、でもあぶねーよ、高いところにあるし…大体、あそこの窓…開くの…?」



「まあ、やってみないとそんなのわかんないですよ」



と、あたしは近くにあった跳び箱に手をかけてよっ、と足をかける。



そんなあたしに慌てて、コノエくんは立ち上がり、

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る