第67話
この瞬間、
つい、とは言え、ここへ逃げ込んでしまった先ほどの自分をコノエくんは心の底から恨んだに違いない。
「え?!」
「え?」
コノエくんとあたしの声が重なる。
振り返るあたしに合わせて、コノエくんがその籠を横に退かし、「ちょっと待っ、」とその閉じ行く扉にすぐさま駆け寄った。
けれども、ガンッ、と扉同士がくっついたことを知らせる音が鳴り、薄暗かった体育倉庫が、一気に暗くなる。
天井近くの小窓は埃かぶっているからか、あまり日差しが綺麗に入り込んできてはいなかった。
ガチャ、という不吉な音まで鳴り、
「うそっ!?なんで!!」
コノエくんが思いっきり扉を叩く。
両開きのそれは、鉄で出来ているからか、ガンガンと音を立てるもののビクともしない。
「開けろよ!声聞こえてたはずだろっ!!」
コノエくんが叫ぶ。
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