第66話

近づこうとすればコノエくんは咄嗟にバスケットボールを取り、それをあたしに向かって投げつけようとしてきた。



思わず立ち止まれば、彼は「出てかねーと投げるからな」と一言。




「えー」



「えー。じゃねェよ!リュウみたいなこと言うな!」



「だってコノエくんが投げるとか言うから…」



「なんで俺が悪いみたいな顔してんだよ!お前が勝手に追ってきたんだろ!!き、キスがどーの言って…!!」



「えー。だって…、逃げられたら出来ないじゃないですか、キッス…」



「言い方!そのキモイ言い方やめろ!普通に言えよ!っていうか!なんでする前提なんだよ!!」



「えー」



「だからそれやめろ!!」



「コノエくん、さっきから怖い…、何故威嚇を…?」



「お前がそもそも悪いんだろーがっ!しかも威嚇ゆーな!」



「えー」



「だからぁ!」



コノエくんが声を大きく口を開いた瞬間、あたしの背後で開いていた扉がギギィ…!と音を立てた。

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