第61話

伊吹は呆れた顔をしながら、「止めましょう早く」とこちらに向かって歩いて来ようとしている。




「そだね。俺もさすがに弟が餌食になるのはちょっと」



と、笑いながらその後ろを歩いて来ようとするリュウくん。




「っ、めろ!!きったねェ手で触るな!!」



「えー酷いよコノエくん。あたし、トイレ行ったあとはきちんとせっけんで手を洗う派ですよ?」



「知るか!誰もそんなこと聞いてねェよ!つか、そういう意味じゃなくて、女のクセに気安く俺に触ってんじゃねェって意味だ!!」



「でも、あたし、コノエくんと何度も触れ合って…ますよね?」



「っふ!?」



「あれ、なんで赤くなるんですか?」



「オマエが妙な言い方するからだろ!!」



「?、じゃあ、何度も触り合ってる仲…?」



「もっと酷くなってるじゃねェか!!」



「あー、じゃあ、なんて言えば…?」



「いちいち言わなくていいんだよ!!」

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