第60話
「気持ち悪いとか、なんかいつもと違うとか…、そういうの自分で感じないわけ?」
「?、どうして?」
「…………」
訊いた俺がバカでした、とでもいうような微妙な顔をして、コノエくんは横を見ながら瞼を伏せた。
長い睫毛が、白く柔そうな頬に影を落とす。
その顔が今のあたしには非常に可愛く見えて、はっ!とその頬を掴んだ。
「っ!?、ふぁひ(なに)!?」
「あたし、コノエくんとの方がいいかも…」
「ふぁ(は)…?」
「キッス」
「!?、ふぁあああああああ!?」
あたしに頬を潰されているので、少々ぶさいくな(いや、それでも十分可愛い)コノエくんが顔から血の気を引かせてそれを叫ぶ。
ミクさんは「あ?あ?はぁ?!」と、あたしとコノエくんを交互に見て、何やら眉根を寄せた。
トラくんは「えと、オロナミンは、キス魔にもなる、と」なんて呑気にメモを取っている。
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