第59話

「んだと手伝え!」



「いーやーだ!」



「手伝え!」



「いーやーだ!!」



ぐぬぬぬぬ!と言わんばかりに睨みあっている二人を見つめ、きょとんとしてしまう。





「なんで喧嘩してるんですか?」



倒れているモヒカンさんにこそこそと訊けば、彼は「ア、ハハ…」とから笑いを返してくるだけで話にならなかった。





「いいから行けっ、てっ!!」



「うわぁ!」




思いっきり背中を押されて、転ぶようにしてこちら側に来たコノエくん。



おっと、とっ、とばかりにその足を辛うじて止め、「なにすんだ!!」と、


ミクさんに怒鳴ろうと顔を上げたと同時に、あたしと目が合った。


その可愛らしい顔が、何かイケないものを見てしまったかのように一気に固まる。





「どうしたのコノエくん?」



「え、あ、いや…つか、あんた…、マジでいま、どんな感じなの…?」



「え、なにが?」

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