第57話
それを見ながら。
あたしはふ、と笑い、
「……でも、ごめんなさい?あたし、いま、ミクたんさんと戦いたいんです」
「み、みくたんさんっ…?」
困惑したように眉を上げるモヒカンさんの後ろ、ミクさんが眉根を寄せる。
「てめ、それで呼ぶなって言っ、」
「だから――」
モヒカンさんの胸倉を掴み、あたしはそのまま身体を捻って、
「退いて、頂けますかっ!」
「うぐぉ!?」
そのまま背負い投げをした。
身体を地面に打ち付けたモヒカンさんは意味不明な声を発して、何が起きたのかわからないような顔をしながら、
「…………」
ただ、天井を見上げていた。
そんな彼の顔を覗き込みながら、あたしはふ、と微笑み、
「ごめんなさい」
と、今一度言って顔を上げた。
向こう側では、心底驚いたような顔をしながら、または呆然としながらこちらを見つめるミクさん達がいる。
じりじりとにじり寄るあたしに、ミクさんははっとして、違う人を盾にしようと、こちらへ押してくるけど、
その全員をあたしが倒していけば、その顔は面白いほど真っ青に染まっていった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます