第57話

それを見ながら。


あたしはふ、と笑い、




「……でも、ごめんなさい?あたし、いま、ミクたんさんと戦いたいんです」



「み、みくたんさんっ…?」



困惑したように眉を上げるモヒカンさんの後ろ、ミクさんが眉根を寄せる。



「てめ、それで呼ぶなって言っ、」



「だから――」



モヒカンさんの胸倉を掴み、あたしはそのまま身体を捻って、




「退いて、頂けますかっ!」



「うぐぉ!?」



そのまま背負い投げをした。


身体を地面に打ち付けたモヒカンさんは意味不明な声を発して、何が起きたのかわからないような顔をしながら、




「…………」



ただ、天井を見上げていた。



そんな彼の顔を覗き込みながら、あたしはふ、と微笑み、



「ごめんなさい」



と、今一度言って顔を上げた。


向こう側では、心底驚いたような顔をしながら、または呆然としながらこちらを見つめるミクさん達がいる。



じりじりとにじり寄るあたしに、ミクさんははっとして、違う人を盾にしようと、こちらへ押してくるけど、


その全員をあたしが倒していけば、その顔は面白いほど真っ青に染まっていった。

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