第55話
コノエくんは「つうか、何者なのホント…あいつ…」と、あたしを見て驚きと呆れが入り混じった表情をする。
そんな彼の隣へ、ようやく腕を離された伊吹は立ち、
「……俺、ああいう類の飲み物の効果って一緒だと思ってました。似てるようで、結構違うんですね」
「え?…ああ、でもまあ、アレは一種の飲料水だし……って、飲料水で人格変わられても困るんだけどね」
トラくんがはは、と乾いた笑声を零せば、伊吹はちら、とリュウくんを横目に見て、また視線をあたしとミクさんの方へと戻した。
「まあどちらにせよ、三國さん一人で止めるのは、結構困難だと思いますけど」
「はぁ~~~」
「っな、んだよその溜め息は…?」
「どうやらこちらから仕掛けるしかないみたいですね」
「なにが…?っていうかオマエ、さっきから話が全部唐突だぞ…」
その場に立ち上がったあたしに、ミクさんはじりじりと後ろへと下がる。
あたしは鎖骨にかかるかかからないくらいまで短くなった髪を、謎に後ろへとはらい、「フッ」と笑う。
ちょっとこの笑い方、ハマってしまった。
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