第54話

「えっ、とー…アレだ。リポDでは、キチガイ染みるけど、オロナミンでは面倒臭くなると…」




驚きでしばらく声も出せずに、強面さんたちの後ろに隠れていたコノエくんが、



「トラ、何メモってるの…?」


と、その様子を見て口を開く。




「んー、いやぁ、どっちが戦闘向けかなって……、って考えなくてもリポDのが良い気もするけど、オロナミンは止められる隙があるっていうのが特徴かな。それにペースを狂わされるし…、いやまあ、こっちもこっちで使えるっちゃあ、使えるんだけど、……コノエちゃんはどう思う?」




「俺にはよくわかんないけど…、どっちもヤバいってのはわかる…」



「んじゃあ、リュウはどう思う?」



「……え?ああ…、うん、そだね。リポDのが、俺はいいと思うな」




一瞬、ぼー、とした様子だったリュウくんに、トラくんは首を傾げ、「どうした?」と。


そんな彼にリュウくんは、「なにが?」といつものように笑みを作って、至って普通にそれを返していた。

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