第53話

「あいたた…ミクさん、力士になれますよ今の張り手…」



「いっきなりなにを言い出すんだテメェは!」



「びっくりしました…、おでこ、痛い…」



「ふざけんじゃねェぞテメェ!だいったいテメェなんかとキスなんか出来るか!気持ち悪ィ!死ね!!」



「フッ。それは照れ隠しですか?」



「だからその自信はさっきからどこからやってくるんだオマエ!てかその笑い方やめろ!クソムカつくから!!」



「フッ。まあいいですよ、決戦前のキッスはお預けです」



「だから笑うなって言ってんのが聞こえなかったのかオイ!!つか言い方!!キッスとか気持ち悪い言い方やめろ!!マジで!!」



「そのかわりあたしが勝ったら、その唇、きちんと頂きますからね!!」



「いきなりなんの話をしてんだ!!」



わなわなと指を震わせながら、叫ぶようにそれを言うミクさんに、あたしは「よいこらせ」と呑気に立ち上がっていた。






その頃、向こう側では。

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