第50話

うう、と口元を押さえたまま、叫ぶように言えば、ミクさんはこちらにまでツッコんでくる。


いつにも増して忙しそうである。





「大っ嫌いだなんて、よくもまァ、幼気な女の子に言えたもんですよね…?」



「どんな自信を持って幼気とか言ってんだオマエ。つか女の子って柄じゃねェだろ死ね」



「まぁ酷い!ひどいひどいひどいひどいひー!!もうミクさんなんてっ、ミクさんなんて…っ」



「……」



「一生おからでも食べて過ごしていけばいいのよおおおおおお!!」



「なんっっだよこの面倒臭い女は!!」




泣き叫ぶあたしに、声を張り上げるミクさん。


はちゃめちゃな現場を見つめて、トラくんは、




「リポDの時より、逆に面倒臭いかも知れない」



そうぼそりと。






「とりあえず泣くな!うるっせェから!」



「しくしくしく、」



「おい」



「しくしくしくしく…!」



「おいって!」

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