第39話

「…っあ~、三國さんマジ力強いッス」



「肩痛かった~」



「俺なんて引っ掻かれたんすけど…」



「あはは、ミクたんは猫の化身だから気をつけて扱わなきゃ。ほら、猫じゃらしとかで誘導的なさぁ……ぶっ!!」



「だァれが猫の化身だ!殴るぞ!」



「っ~、(殴ってるんだけど!!)」




ヘラヘラと笑っていたリュウくんの顔面に、思いっきり拳を入れたミクさん。


い、いまのは痛い…!



「ひっ」と、あたしはついつい自分の顔を押さえた。


ぜったいぜったい、痛い!







「おいトラ!まさか、それをコイツに飲ませるんじゃねーだろーな!」



痛みに悶絶しているリュウくんを、げしげしと蹴っているミクさんの横をすり抜けて。



トラくんの元へ駆け寄ってきたコノエくんが、あたしを指差し、そう言う。


そんな彼に、トラくんは「ん?そうだよ?」とあっけらかんとした様子で答えた。

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