第21話
「なんだよ、その格好…」
「えー。イメチェンだよイメチェン!高校デビューってヤツ?あはっ、可愛いでしょ?」
「………、」
「え~。なんで怖い顔するのぉ?久々に会ったんだから、変わってるに決まってるでしょ?っていうか、小野町クンも身長伸びたねぇ、今何センチ?昔はあんまり変わらない気がしてたんだけどぉ、」
手を翳し、まるでリュウくんと背比べでもするような行動をとる彼女に、
「……なんの用?」
「…………、ハァ~、つまんない」
静かに返すリュウくん。
まるで相手にされてないことに、天を仰ぐように目を上に向ける彼女は、盛大な溜め息を吐く。
呆然とその様子を見つめていると、
「用がないなら、俺ら、もう行くから」
リュウくんはあたしの腕を取って、トラくん達の元へ行こうとする。
「ひどぉ~い、別に、悪いことしようとしてるわけじゃないのにー」
また彼女は身を翻す。
その立ち振る舞いが、まるで風のようにふわりとしていて、
柔らかくて、すり抜けていくようで、
なにも、
掴めない。
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