第89話

部屋の前に落ちていたのは

大量の使用済みコンドーム。



「やぁ…何これぇ…」



あまりの衝撃で

その場に腰を抜かしてしまった。



一体誰がこんなことしたの??


誰かに恨まれてるの??




優はそれを素手でかき集め、

窓の外へと投げ捨てた。



そして美嘉の手から部屋の鍵を奪い、

強引に鍵を開けて荷物と共に体を持ち上げて部屋の中へと運んだ。




「泊まってええか?」



優はゆっくり頷いた美嘉を持ち上げたまま

ベッドへと運ぶ。




電気とテレビをつけカーテンを閉めると、

優は美嘉の隣に座り恐怖で震える手を自分の両手で包み込んだ。



「もう怖くないで。俺がおるからな。」




しかし震えは止まらない


入浴剤も石鹸もお弁当も間違えじゃなかったのかな…??





「明日バイト休みか?」


優からの問い掛けに美嘉は落ち着きを取り戻し答える。




「ん…明日まで旅行って言ってあるから休み」




「じゃあ明日俺美嘉んちで見張りしとるから。怪しいやつおったら捕まえたる!安心せぇ」



「ありがとう…」



優の心強さに安心しながらも、

一体誰が何のためにやったのか…

疑問は深まるばかり。

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