第67話
二人は砂浜に腰をおろした。
あれから戻って来ないアヤのことが、
かなり気になっている。
優は波の音に負けないくらいの大声で話し始めた
「ケンからだいたいのことは聞いた。」
きっと全て美嘉のせいになってるんだろうな…
そう思うと自然にため息が出てしまう。
優は美嘉の返事を待たずに話し続けた。
「美嘉は悪くないから心配しなくてええよ。あいつがハッキリしなかったからこうなったんや」
繋いだ手をぎゅっと握ると、
優もぎゅっと握り返してくれた。
優はいつだって味方でいてくれるね。
美嘉のことならなんでも知ってるもん。
その時、
すごく遠くのほうの外灯の下にうずくまってるアヤの姿が見えた。
優は立ち上がり、
美嘉の手をぐいっと引いて起こす。
そして携帯電話を投げつけられて少し腫れたほっぺを優しく指先でさすった。
「痛かったやろ…」
アヤのほうばかりを気にしている美嘉。
優は頭を撫で、
アヤをちらっと見た。
「大切な友達やろ。行ったれ!」
「でも…」
「俺はここにおるから」
ピースをしている優。
美嘉はアヤに向かって
走った。
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