第66話

「え~何今の」


「どーゆーこと?!」


みんなはざわめく。



ただ一人、

美嘉だけが状況を把握していた。




…わからない。


なんでケンちゃんはミドリさんをかばったの??


なんで走って行くアヤのことを追い掛けなかったの??




楽しかったキャンプも、いっきに嫌な雰囲気に変わってしまった。




アヤが美嘉の携帯電話を勝手に見るなんて…

予想もしてなかったよ。



アヤきっと誤解したよね。


美嘉がケンちゃんとミドリさんを協力してると思ったよね…。



ケンちゃんがアヤを追い掛けないでミドリさんを守るなんて、

思ってなかったんだよ…




美嘉はテントに戻り、

寝袋に潜り込んだ。




イズミとウタは二人に何があったのか…などを討論していたけど、

聞かないフリをしていた




「美嘉起きとる?ちょっと出てこれへんか?」




テントの外から聞こえる優の声。





「ヒューヒュー♪ラブラブぅ!!!!!!!」


「行ってきなさい♪仲良くね!」



イズミとウタに冷やかされながらテントを出る。




優は何も言わないまま手を繋ぎ

海のほうへと歩き始めた



真っ暗なのに

波の音だけがリアルに響く。



波の音に吸い込まれてしまいそう。

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