第63話
テントは静まり返っている。
アヤ疲れて寝ちゃったのかな??
もし寝ていて起こしたらかわいそうなので、
忍び足でテントに近づき入口のチャックを開けた
するとアヤはテントの中に座り、
背を向けている。
手の動きから、
携帯電話をいじっている様子だ。
「アーヤっ!!ケンちゃん心配してたよん♪」
靴を脱いでテントの中に入り、
背を向けているアヤを覗き込む。
その時やっと気付いた。
アヤがいじっているのは、美嘉の携帯電話…。
とっさに思い出したのは昨日ミドリさんと送り合ったメール。
アヤは突然立ち上がり、
美嘉の顔に携帯電話を投げつけた。
「美嘉最低!」
美嘉は口を開けたまま
アヤの姿を見つめる。
アヤは美嘉を見下ろし、
威勢のいい声で叫んだ。
「ミドリさんがケンちゃんのこと好きなの知ってて協力してたんでしょ!?あたしとケンちゃんが早く別れればいいって陰で笑ってたんでしょ!?」
そのまま外に出て行ってしまったアヤ。
美嘉はテントに座り込み動けずにいた。
アヤ…違うよ。
ケンちゃんとミドリさんがうまく行けばいいなんて
思ってないよ。
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