第62話
それから少し経ち、
美嘉が持っていた線香花火の火の玉もポトリと落ちた。
「あ~ぁ~!!!!!!!ウタの負けだぁぁぁぁ!!」
ウタは下を向いて大袈裟に落ち込む。
「やったぁ♪美嘉の勝ちぃ!!」
自慢げに言うと、
ウタは美嘉に向かって舌を出しながら空を見上げた
美嘉もつられて
空を見上げる。
瞬く星…。
いつもなら家や店の光でぼんやりしか見えないけれど、
ここは…海は光が少ないから星がはっきり見える
ウタは手を伸ばして星を取るそぶりをしながら寂しげにポツリと呟いた。
「やっぱりウタの負けだょねぇ…そうだょねぇ…」
ウタの言葉の意味を
この時は理解出来なかった。
ただ、
ウタに初めて会った時に感じた自分と同じオーラを少しだけ感じていたんだ…。
その時ケンちゃんが二人のもとに歩いて来た。
「アヤ知らない?」
そう言えばバーベキューを食べた後、
寒いから上着取りに行って来るってテントに行ったまま帰って来ない。
「ちょっとテント見てくる!!」
心配になり、
見に行くことにした。
「いってらっしゃぃ~!!!!」
さっきの寂しげなウタはもういない。
元気なウタに戻っていた。
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