第52話

「大丈夫なのにぃ~ぷーーーだ」



あまりの強引さにほっぺに空気を入れ膨らましていじけていると、

優は美嘉の頭を少し強めにくしゃくしゃっと撫でた。





「アホぉ!気付けや。好きな女の体他の男に見られんのいややろ。せやからシャツ着ておきぃ」



そう言ってプイッと前を向き車を動かす優。





もしかして美嘉がキャミソール着て結構肌を露出してるから??



だから他の男に肌見られたくないから、

シャツ着ろって言ってるの??



優って全然ヤキモキとか焼いたことないのに…



もしかして

ヤキモキ焼いてるの??





ミラー越しに

優の顔を見つめる。




「何見とんねん!!」




優は照れくさそうに顔をそむけてしまった。




優のシャツ…

まだぬくもりが

微かに残っている。




シャツに袖を通し、

少し長くて余った袖に顔をうずめながら

笑いをこらえていた。







やがて車は

サークルのメンバーと待ち合わせしている大学前に到着。

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