第43話

一度車のドアに手をかけたが、

なかなか開けることが出来なかった。



久し振りに会ったから…

もっと一緒にいたいな。



ドアを開けてしまったら帰らなくてはならなくなるし、

キャンプまで優に会えないかもしれない。






「部屋…来る??」


うつむきながら小声で大胆なことを呟いてみる。




「ん?なんやて?」



車に鳴り響くCDの音が、美嘉の声を消してしまったようだ。




ただでさえ照れくさいのに二回も言うハメになるなんて…。


あ~、もう!!




「…優ともっと一緒にいたいから、部屋行こうっ!!」



意地をはってもどうにもならないし、

ここは素直になろうと決めた。

ある意味開き直り…。



でもちょっと素直になりすぎたかなぁ…。




ドキドキしながら優の返事を待っている、

乙女な自分。





車のエンジンが止まる。



「ええの?俺も美嘉と一緒にいたい」




欲しかったセリフに一安心し、

仲良く手を繋いで部屋に向かった。




階段を上がり、

部屋の前に行く。



その時、

ドアノブに白い紙袋がかけられているのに気が付いた。




なんの不安もなく、

紙袋の中身を確認してみる。

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