第44話

紙袋の中に入っていたのは、

たくさんの入浴剤と石鹸



ラベンダーの香り

ローズの香り

ゆずの香りの入浴剤。



牛乳石鹸

ピンクでハート形の石鹸お花の香りの石鹸。





「紙袋何入ってるん?」


優が覗き込んで

紙袋の中身を確認する。



「わかんない…ドアノブにかかってたぁ。」




「親が置いて行ってくれたんちゃうん?」



「えーそれにしては手紙とか入ってないし、なんかやだなぁ~…」



紙袋からハート形の石鹸を一つ取り出し、

マンションの廊下についている電気にかざした。




不安げな美嘉の態度に気付いたのか、

優は持っていた石鹸を奪い再び紙袋にしまい、

そしてその紙袋を遠くに蹴り飛ばした。




「気にせんでもええよ。きっと間違えやって!」



その紙袋を横目で気にしながら、

冷静を装い部屋の鍵を開けた。




部屋に入るとその紙袋のことなんかどうでも良くなって…


心は久し振りに優と会えた嬉しさでいっぱいだ。



「ゆぅ~~!!」



床に座っている優に、

後ろからだっこちゃん人形のように抱き付く。



「甘えん坊美嘉~かわええな♪」




優が体を横に揺らすと

美嘉の体も一緒に揺れた

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る