第95話

「…ごめん」



咲は

ひたすら謝り続ける。



さっきまですごい迫力で突っ掛かって来てたのに…



今体を小さくして

謝っている。


恋の力って

すごいなぁ…。



こんな状況の中で

少し感心していた。





「そー言えばてめぇ写真のネガどうした?」



「…家にある」



「それ焼けよ?バラまいたらどうなるかわかってんだろ」



「…わかった」



「本当はブッ殺してぇけど美嘉が許すって言ってっからやめとく。俺は一生許さねぇけどな」



「…はい」



「わかったらどっか行け。二度と俺らに関わるなよ」



ヒロが冷たく言い放つと咲はとぼとぼと帰って行った。


ちょっと可哀相にさえ思えてしまう。


でも…


美嘉も

たくさん傷つけられたよ



一生消えない傷を

つけられた。




放心状態のまま咲が帰って行く姿を見つめていた




「美嘉?大丈夫か?」



ヒロに呼ばれる声で

ハッと目覚める。



「ん?うん大丈夫!!」



「俺のせいでごめん…」



「謝らないでよっ。さっきのヒロかっこ良かったよ!!ヒロって美嘉がピンチになったらいつも助けてくれるね。スーパーマンみたいだね!!これからも助けてね!!」

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