第96話

「まかせろ。ってかマジでカワイイし。そんなカワイイ事言うなって!」


ヒロは美嘉の頭をくしゃくしゃと撫でて、

ぎゅっと抱きしめた。



「…お前もカッコ良かったぞ!」



「へ??何が?」



「ヒロを好きな気持ちは負けない~ってやつ」



「え~っ!!聞こえてたの!?」



「ちょうど見つけた時だったから~聞こえた!」



「や~もう恥ずかしいし!!最悪!!」



ヒロの胸からパッと離れて背を向ける美嘉。



ヒロは美嘉の手を引っ張り自分の巻いていたマフラーの片方を美嘉の首に巻いて耳元でささやいた



「いや、マジで嬉しかったから。ふざけたように言ったけど、すげぇ嬉しかった。ありがとな」





恥ずかしい。

でもすごい嬉しかった。


でも強がりな美嘉はなかなか素直になれない…。



「ふ~んだ!!なんかお腹痛いし疲れちゃった。今日は帰ろうかなっ」



ヒロは何も答えない。



話をそらしたから、

怒っちゃったかな?




「…ヒロ??」



ヒロの顔を覗き込むと、ヒロは真面目な顔で言った。




「かけおちしねぇ?」



「えっ?かけおち!?冗談でしょ?」



首を横に振るヒロ。




本気のようだ。

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