第77話

次の日の放課後

足早に美嘉の家へ向かう


美嘉の親は妊娠を知っているから、

後は産むことの承諾をもらわなければならない。




「おじゃまします!」


妊娠発覚以来、

ヒロが家に来るのは今日が初だ。

しかし全く緊張していない様子のヒロ。



家の中は

気まずい雰囲気。



居間のドアをそっと開くと、

お父さんがソファーに座っている。




「お父さんヒロが…」



「居間に

連れてきなさい」



ヒロの手を握り

居間へ案内する。




「こんばんは」



お父さんを前にさすがのヒロも緊張している。



「座りなさい。」



二人は手を離し

腰をおろした



重い空気。




「このたびは…美嘉さんの妊娠が赤ちゃんで産む話しを…」



しどろもどろなヒロ。

美嘉はその言葉を遮って強めの口調で言った。




「赤ちゃん

産みたいの!!」



瞬ギョッとした顔を見せたお父さん。

すぐ顔を戻し冷静な態度で話し始めた。




「産むって言っても簡単なことじゃない。二人はまだ学生だし産む費用はどうする?育てられるのか?」




「学校やめて働きます。幸せにします。お願いします…」



ヒロは突然立ち上がり

頭を下げた。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る