第76話

一瞬時間が止まる。



ヒロは沈黙をかき消そうとするかのように口を開いた。




「俺達産むことに決めたから!」



目を見開く

ヒロのお母さん。



「産むったって育てられるの?」



「俺学校やめて働くし」



自信満々なヒロ。




「美嘉ちゃんはどう思ってるの?」




ヒロのお母さんからの問いにキッパリと答えた。



「もちろん産みたいです!!」




今まで黙っていたヒロのお父さんが

腕を組みながら口を開く



「弘樹と美嘉ちゃんが二人でそう決めたのだからわしは何も言わない。弘樹、美嘉ちゃんを幸せにする自信はあるのか?」





「もちろん!美嘉も赤ちゃんも必ず幸せにする」



即答し、

親の前にも関わらずにガバッと抱き付くヒロ。


ヒロの両親はそんな二人の姿を見て少し呆れたように笑った。





「頑張りなさい」


お父さんが見せた笑顔はヒロにとても似ている。



「美嘉ちゃん体冷えたら困るから、帰りマフラー貸すからしていきなさいよ!」



お母さんはしていたマフラーを貸してくれた。





目を合わせてニンマリと笑い声を揃える二人。




「「明日は美嘉の親に報告だ~!」」





しかし…

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