第73話

具合いの悪さを我慢して学校へ行く。



学校じゃ話す気にはなれなかったので、

放課後ヒロを学校の近くにあるファミレスに誘った。




ずっと休んでいたので会うのは久しぶりだから、ヒロはとても嬉しそう。


本当はね、

美嘉もヒロに会えてすごく嬉しいよ。



でもね、

これから言うことを考えると不安で喜べない…。






「美嘉サラダしか食わねぇのか?ニンジン残して~それだからいつまでたってもチビなんだぞ!」


不安な心とは裏腹に、

ヒロはとても楽しそう。



「…話あるんだぁ」



「話?なんの話?別れ話なら聞かねぇぞ!」



「別れ話じゃないよ…」



「まぁ別れようって言われても嫌だって言うけどな!」



「まじめな話だから…」



ヒロはいつもと違う雰囲気を察したのか、

真顔になり美嘉の目をじっと見つめた。



「どうした?」



水を一口飲み込み、

話し始める。

妊娠の事実を…



「具合悪くて病院に行ったの。そしたら…できてた」



「え?」



「赤ちゃん…」



ヒロの表情を見ると答えがわかってしまう気がして顔を見るのが怖い。



ヒロは何も言わずに立ち上がり、

店の外に出て行ってしまった。

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