第74話

正直…

妊娠してると言われてかなり驚いた。



だけどね、

すごく嬉しかったんだ。



美嘉はヒロの事が

好きだから…。



ヒロとの赤ちゃん、

産みたいと思ったの。



でも

ヒロは違ったのかな??



二人ともまだ16歳だし、結婚できる年でもない。



働いてるわけでもないから産んで養えるわけでもない。



そんな状況の中で、

赤ちゃん産むのは困難かもしれないね。



ヒロにとって“妊娠”は重い事実で、

これからもっと遊びたいのかもしれないし…。



不安は

どんどん増すばかり。




下を向いて考えていると人の気配がしたので顔を上げた。




「ヒロ…?」



ヒロは息切れをしながら袋から赤いキーホルダーみたいな物を取り出し、美嘉に差し出した。




「何…?」



よく見たら、

クリスマス時期によく売っている小さくて赤いブーツに飴やチョコなどのお菓子が入っているやつだ。





「美嘉おめでとう!俺らの子産もう。産もうっつーか産んでくれ。俺学校やめて働くし、ぜってぇ二人幸せにすっから!」




思いがけない言葉。



ヒロがとびきりの笑顔で赤ちゃん産んでほしいって、

そう言ってくれた…。

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