第66話

ヒロは再び美嘉に電話を手渡した。



『もしもし…』



『はいは~い!』



わざとらしいくらいに明るいタツヤ。



『何話したの??』



『え?まぁ~男同士の話かな!気にするなぁ!』



『タツヤごめんね…』



『美嘉この間から謝りすぎだから!気にすんなって!』



『本当ごめん…』





タツヤの声のトーンが低く変わる。

きっと真面目な話をするからだろう。




『俺は傷ついてる美嘉を見て、弘樹だっけ?あいつには美嘉を任せられないって思ったんだ。でもさっき電話した時、二人はもう大丈夫だと思った。仲良くしろよ!話ならいつでも聞くからな!』



『…本当にありがとう』



タツヤに深く感謝をしながら電話を切った。





いつも話を聞いてくれたタツヤ。



ヒロをかばって

学校を辞めたタツヤ。



美嘉のために

泣いてくれたタツヤ。



最後まで

優しかったタツヤ。




あなたは最高に

いい男でした。



ハルナがタツヤを好きだった理由も、

今ならよくわかるよ。




学校で会えなくなっても


ずっとずっと忘れないよ


美嘉もタツヤを

見習いたい。




本当にごめんね。



そしてありがとう…



ありがとう…

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