第63話

ヒロは机に置いてあった美嘉のPHSを強引に奪いボタンを押す。



受信したメールを見ているのだろう。



PHSを見たヒロの表情は鬼のように変わり

PHSを机に強く叩きつけて叫んだ。



「おい、俺の女いじめてるやつは誰だよ?」



クラス中は静まり返り、冷やかしで見に来ていた男達はサッと退散して行く。



「黒板に美嘉の番号とか書いたのは誰だっつってんだよ!名乗り出ねぇなら意地でも探すからな。そん時はぶっ殺す。覚えておけ」





その時、

泣きそうな顔をしたハルナが立ち上がり頭を下げた



「ごめんなさい…」




意外な光景に息を飲む。


ハルナの方に向かい

ハルナの机を思い切り蹴り飛ばすヒロ。




「てめぇが黒板に書いたのか?次美嘉になんかしたらわかってるよな?」



机は激しい音をたてて倒れ、

ハルナは下を向いたままブルブル震えていた。



ヒロは美嘉のほうへと再び戻り、

後ろから体に手を回して言い放つ。




「俺の女いじめる奴は例え女でも許さねぇから」




ただでさえ迫力のあるヒロがキレて

みんなは騒然…。







「美嘉のダーリンマジかっこいいぢゃん♪そろそろ許してあげな!」



アヤが

耳元で呟いた。

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