第56話

学校にかけた電話を切り学校に向かって走った。



着いた頃にはもう外は真っ暗で校内は静まり返り


タツヤもすでに帰ってしまったみたいだ。



偶然通りかかった音楽室を見て、

タツヤに悩みを打ち明けた時の事を思い出していた



先生に本当の犯人がヒロだって言えなかったから…タツヤは…。



タツヤは犯人じゃない。



だからまた学校に来れるよね??



また話せるよね??



もしタツヤが学校に来たらその時は先生に正直に全部話すから。



本当の犯人は

ヒロ達だって…。



しかし次の日もその次の日もタツヤは来なかった。



鼻がまだ治らないのかもしれない。

最近は連絡もこないし…


トイレのガラス事件について先生は何も言わなくなったし

白紙も配られなくなった







手首の傷も治り、

リストバンドもはずせるようになった頃…


朝の挨拶で先生が言った



「タツヤが学校をやめました。」



クラス中がざわめき、

みんなは口々に言う。




「えーなんで?」

「どーして?」




「個人の理由だ。」



冷静に答える先生。



個人の理由??

何それ!!



美嘉とアヤは朝の挨拶が終わると、

真実を知るため職員室へと走った。

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