第55話

『なんか~さっきノゾムから聞いたんだけどタツヤさ~美嘉と仲良かったじゃん?それでヒロ君がキレてて…この前二人が喧嘩した時あったでしょ?あの後ヒロ君がムカついてトイレの窓割ったみたい。キレたのはタツヤのせいだからってヒロ君のグループ全員で無記名の紙にタツヤの名前書いて、タツヤのせいにして…』



アヤが最後まで言い終わらないうちに電話を切り、学校に電話をかけ直した



♪プルルルルルル♪



ガチャ




『もしもし?先生?』



相手も確かめずに電話をかけたが、

運良く担任の先生が出る



『美嘉か?どうした?』



『タツヤが呼び出されたのは本当??』



『あぁ。今から保護者と学校に来るぞ。』



『あの、ハッキリとは言えないんですけどタツヤは犯人じゃないです。タツヤを疑うのはやめて下さい…』



一瞬沈黙になり、

先生は再び話し始めた。



『先生もタツヤはそんなことしない奴だと思ってる。でも紙に名前を書かれたのは事実でな…本人が否定すれば大丈夫だ』




『犯人は…本当の犯人は…』




一度開いた口を

ぎゅっと噛み締めた。




タツヤは犯人じゃない。

でもヒロを裏切っていいのだろうか。



美嘉は…

弱虫で卑怯な人間だ。

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