第48話

「…してないよっ!!」



本当は

無理してる。

でも知られたくない。



動揺しながら答える美嘉に、

タツヤは質問を投げ掛けた。




「本当に風邪?」



「うん!風邪!!」



「じゃ手首どうした?」




言葉を失う。

リストバンドしてるからバレないと思ったのに…



「俺気付いてたよ。左の手首…。何があったの?俺誰にも言わないから、話してみ?」




誰かに頼りたくて、

話を聞いて欲しかったんだ。



レイプ。


元カノからの嫌がらせ。


それで胃を壊した事。



タツヤに話した。



「手首は…自分でやったのか?」



「…うん」



「苦しかったな…」



タツヤはそう言うと窓のほうに歩き出し、

手で涙を拭っているように見えた。



泣いてくれてるの?

勘違いかな。







タツヤの提案で

PHSを新しい機種に変えることにした。




番号を変えたおかげで嫌がらせはなくなり、


タツヤは休み時間のたび元気のない美嘉を笑わせて励ましてくれた。






そんな二人を監視するよいに見つめる

同じクラスのカズヤ。




カズヤはヒロと同じグループでよくつるんでいて、ヒロとは仲が良い。




なんだか

嫌な予感がする…

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