第36話

二人の唇が近づき、

体がビクッとする。



「大丈夫…俺だから」



ヒロはゆっくり時間をかけて抱いてくれた。




そう

初めての時よりも…。




「俺が一生美嘉を守る」



その言葉が

今の美嘉の傷薬なんだ。




あの日の傷みは、

ヒロによって

消されていく…。







夜になり

家まで送ってもらった。


「またねっ!!」



玄関のドアに

手をかける。



「美嘉!」



名前を呼ばれた声で

振り返った。



ヒロは美嘉の唇に軽くキスをすると



「じゃあな!」



と叫び再び自転車に乗って帰って行った。





家に帰り

ベッドの上にあるぬいぐるみを握りしめる。




ヒロありがとう。

美嘉ね…

あの日のこと忘れられそうだよ。





いつの間にかうとうとしていた時…



♪プルルルルル♪



着信:ヒロ



ヒロからの電話で

目が覚めた。



この電話によって

衝撃の事実が判明する。



『あい…』



寝ぼけたまま

電話を取る。




『…犯人見つかった』



『ふぇ…犯人…?』



『お前をレイプした犯人見つかった!』




興奮気味なヒロの声に、ガバッと体を起こした。



『え…マジで??』

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