第35話

あの事件以来、

ヒロは気を使っているのかキスしかしてこない。

それも

ほっぺやおでこに…。




確かにまだ

少し怖い気持ちはある。




ヒロの優しい気持ちは

すごく嬉しいよ。




だけどね…

ちょっと寂しい。




いろんな男に回されたから

“美嘉の体は汚い”

そう思ってるのかなって不安になるよ。



勇気を出して、

ヒロの家で遊んでいる時聞いてみることにした。





「ねぇ~ヒロはしたいとか思わないの??」



唐突で

かつ大胆な質問。



「何を?」



「……エッチ!!」




飲んでいたお茶を

吹き出すヒロ。




「は?いきなり何!」



「…まじめな話だもん」



「…そりゃあしてぇけど美嘉がしたいって思える日まで待つ」



「したい気持ちはあるんだ。怖いけど…でもヒロが美嘉の体を汚いと思ってできないのかなぁって不安なの」



ヒロは美嘉の頭を

自分の胸へと引き寄せた



「ばーか!お前俺がそんな男だと思ってたの?」




美嘉をベッドまで運び、体をそっと倒す。




「怖くなったら言えよ?無理すんな。俺が美嘉の嫌な事全部忘れさせてやるから。傷消してやるから安心しろ」

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