第25話

ヒロは美嘉の後ろに回り


制服のブレザーをまきつけ

ぎゅうっと抱きしめた。



「あったけ~な。ずっとこうしてたいな」



「うん……」



この時、

決心した。



もうヒロとは

連絡とらない。



せっかく諦めたのに

また好きになって傷つきたくないから…。





その日から

メールは返さず

電話にも出なくなった。


教室まで会いに来ることもあったけど

…避け続けた。




それでも何日も何日もヒロからの電話やメールは止まる気配はない。





ある日の朝

アヤに教室の隅に

呼び出された。



「美嘉はヒロ君のことどう思う~?」



「どーもこーも彼女いるし!!」



ヒロの彼女の話は

もううんざり。



「ノゾムから聞いたけど

別れたらしいよ♪」



「…へっ??」



「本気で好きな子出来たから別れたって♪マジ好きみたい!!誰だと思う?美嘉だよ。美嘉♪」



諦めたはずの心は

いとも簡単に揺れ動く。


…緩い決意。



アヤは続ける。



「ヒロ君が美嘉ときちんと話したいから今日の放課後図書室で待ってるって!」



「…わかったぁ」






キーンコーンカーンコン



今日最後の授業が終わるチャイムが教室に響く。

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