第20話

ヒロはちょっと照れて頭を掻きながら

強引に手を握った。




「お前~危なっかしいから俺につかまってろ」



初めて握ったヒロの手。


大きくて…

小さい美嘉の手を包み込んでくれている。





家に帰りご飯を食べ終えまったりとしていると、

ヒロが鞄の中から何かを探し始めた。



取り出したのは

インスタントカメラ。




「写真撮ろうぜ!」



慣れた手つきで肩に手を回すヒロ。


眩しいフラッシュが

二人を照らす。




その時…




チュッッッ



ほっぺにヒロの唇が

軽く触れた。



…!?!?



何が起きたのかわからずヒロからバッと離れ、

唇が触れたほっぺに手をあてる。




「嫌だよな。ごめんな」



悲しげなヒロの表情に

逃げたことでちょっぴり罪悪感を感じてしまう。



「嫌とかじゃなくて…びっくりしたの!!」



「だよな。ごめんな。俺美嘉の事好きかもしんねぇ」



「……えっ??」



「キスしてもいいか?」




まだ付き合ってるわけじゃないのに。



…体目当て

じゃないよね??



でもこの時は体目当てかより、

キスを拒んでヒロに嫌われる方が怖かったんだ。

だから…



「いい…よ」

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