第13話
引きつった作り笑顔でじんわり汗ばんだ右手を差し出し、
ヒロの右手を軽く握る美嘉。
隣では彼氏いない歴16年の純情なユカが、
黄色いゴムで後ろに束ねられた黒髪をプルプルと震わせながら今にも失神しそうな顔をしている。
美嘉でさえ怖いのに、
ユカには刺激が
強すぎたか…。
キーンコーンカーンコーン
運よく鳴ったチャイム。
握手した手をパッと離し
放心状態のユカとノゾムと楽しそうに会話するアヤを強引に引っ張り、
教室へ向かった。
席につく。
心がついて行かない。
ヒロ、想像と全然違うし…。
頭をかかえていると
アヤが先生を気にしながら耳元で呟いた。
「さっき握手してた人ってもしかしてヒロ君?!超イケメンじゃん!美嘉ラッキー♪あたしはノゾム狙いだから安心しなさい♪」
イケメンだったっけ。
顔見る余裕なかった…
そのまま顔を伏せている美嘉にアヤは続ける。
「お互いマジで頑張ろ!高校生活でイケメンgetしなきゃね~♪」
「…まだ好きとかじゃないもん。ってか今日会ったばかりだし!!」
「これからどうなるかわかんないじゃん♪」
この時は、
ヒロに恋するなんて全然思ってもいなかったんだ…。
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