第12話

一時間目の授業は

移動教室だ。



ずっと心配していたユカに仲直りしたことを報告し三人は教室を出た。



廊下を歩いていると、

前からはヤンキーとギャル男集団が…。



その中にノゾムがいる。

確かにノゾムは

ギャル男系だ。




「ノゾム~♪」



ノゾムのほうに

駆けて行くアヤ。



取り残された美嘉とユカは廊下の隅でアヤが戻って来るのを待つ。



その時集団のうちの一人が二人に近付いて来た。




色黒

明るい茶髪

整った細い眉毛

腰パンにはだけたワイシャツ

背が高い…おそらく180くらいはあるだろう。

耳にはたくさんのシルバーピアス。


その集団の中では、

あきらかにリーダー的存在




その男が鋭い目付きでを睨みながら

こっち向かってくる。



美嘉とユカは視線をそらし逃げる態勢をとった。



二人の前に立ちはだかったその男は口を開いた。



「美嘉…だよな。俺は弘樹。」





…弘樹?ヒロ??


ギエェェ!!


夏休み中ずっと連絡とってたヒロ?


低くて落ち着いた声。

想像してたヒロは、

爽やかで大人っぽくて…




「よろしくな!」



ヒロは見た目から想像できないような子供みたいにあどけない笑顔で

右手を差し出した。

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