第11話

一瞬浮かんだのは

ヒロの顔。


会ったことがない…

勝手に想像している

ヒロの顔。





「…いないかなぁ」



美嘉の返事を聞き、

すかさず口を開くアヤ。



「あたし今恋してる!」



…相手はきっとあの人。



「ノゾム??」



「うん!本気なの。美嘉はノゾムのことどう思ってるの?」



心配そうな顔をするアヤに対し、正直な気持ちを口にした。



「…ただの友達。恋愛感情は少しもないし!!」



アヤの表情が少し緩む。

アヤは席から立ち上がり

背を向けた。




「あたしね、美嘉に嫉妬してたの。ノゾムは美嘉狙いっぽかったし~美嘉も好きなのかなぁ~…ってね。疑ってごめん。ユカに話したらかなり怒られちゃった!」



「そっかぁ……」



「美嘉ごめんね。許してくれるかな?」




しんみりとした空気の中


アヤが振り向いて

頭を下げる。


答えは一つ。




「……もちろん!!」






夏休み中にヒロという名前の男と知り合い

毎日連絡を取り合っているということをアヤに話すと


アヤは嬉しそうに美嘉の腕に自分の腕を回した。




「そうだったんだぁ。ヒロ君て人どんな人なんだろうね!美嘉、お互い頑張ろうね♪」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る