第10話

桜井弘樹…

いや、ヒロと番号交換をしたあの日から

毎日連絡を取り合った。



ヒロとは会ったことがないけど話が合う。




電話をして

わかった事。



クラスは遠いけど同じ高校に通っていて、

一度ノゾムと教室まで来たことがあり、

美嘉と話してみたいと思ってくれていたらしい。



二人は暇さえあれば電話やメールをしていた。







夏休みも終わり、

眠い目をこすりながら学校へ向かう。




教室に着いた時机の上に置かれていたのは

一通の手紙。



【DEAR美嘉★FROMアヤ】



…アヤからだ。



ノゾムと連絡をとり始めてから

アヤに避けられている。




不安な面持ちで

手紙を開く。




【話があるから、手紙読んだら四階の音楽室まで来てね!】




手紙を握りしめたまま教室を飛び出し、

階段を四階まで駆け上がった。




音楽室のドアの前で

軽く深呼吸をする。



……怒ってるかな。


嫌な思いが

頭を過ぎる。



そっとドアを開けると

窓側の机に座っていたアヤが振り向いた。




「おはぁ♪」



いつものアヤに

少し戸惑う。



「おはよぉ…」



「呼び出してごめん!」



「ん…」



「美嘉は今恋してる?」

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