第9話

仕方ない。

ここは電話に

出るしかない。



『…もしもし』



『もっし~俺!ノゾム君だよ~ん♪美嘉ちん俺のこと避けるしな~ひでぇな!俺泣いちゃうよ~』




ゲッッ!!

このウザいくらいのテンションの高さ…。

ノゾムだ。



『何??』



冷たく言い放つ。




『またまたぁ~美嘉ちんは冷たいなぁ!俺何かした?してないよね~!ヒャハハハハ』



酔っているのか

ノゾムの口は止まらない。



『俺PHS止められちゃって~参った!今~弘樹って奴の家から電話かけてんだよね!頭良くない?今からそいつに変わりま~す!』



『え…ちょっと待っ…』



最後まで言い終わらないうちに、

電話の相手が出た。




『もしもし?』



『えっ……もしもし』



ついつい答えてしまう。




『俺ノゾムのダチの桜井弘樹。あいつ今かなり酔ってるみたいでごめんな』



ノゾムとは正反対の、

低く落ち着いた声。



『大丈夫だけど…ってか弘樹君だっけ??家の電話からかけてて大丈夫なの??』



美嘉の問いに弘樹は電話ごしで笑って答えた。



『ヒロでいいから!番号聞いていいか?俺からかけ直す』



そして番号を交換した。これがヒロとの出会いだ

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